予約の取れない“伝説の家政婦”として大人気のタサン志麻さん。フランス人の夫・ロマンさんと共に、3歳・1歳の2人の息子さんの育児にも奮闘中です。志麻さんの「家族ごはん」に対する思いや考え方などを全6回シリーズでお届けしていきます。第3回は、子どもの野菜嫌いにどう対応したらいいのか? 志麻さん流の考え方と調理のこつを聞きました。4ページ目では「野菜のブレゼ」のレシピも紹介します!

子どもに「何が嫌なのか?」を言葉にしてもらう

DUAL編集部(以下、――) 「子どもが野菜嫌いで困ってしまう」という声をよく聞きます。志麻さんはお子さんの好き嫌いに関してどんなふうに捉えていますか?

タサン志麻さん(以下、敬称略) 私は子どもの好き嫌いって、“気分”に左右される部分が大きいと思うんです。昨日まで食べていたのに今日は食べないとか、いつもは家で絶対食べないのに、保育園に行くと全部残さず食べてくるとか(笑)。

 大人もそういうところはあると思うんですよね。「今日はあんまり食べたくないなぁ」「疲れているからさっぱりしたものがいいなぁ」などと、その日の気分によって味覚や食欲は変わってくるものだと思います。だから、子どもが思うように食べてくれなくてもあまり深刻に捉え過ぎなくてもいいかなと思っています

志麻 子どもが保育園で残さず食べてくるのは、お友達と一緒にワイワイ食べて楽しいからだと思うんですよね。食べるか食べないかって、食材の味や料理の中身の問題だけじゃなくて、雰囲気もとても大切なんじゃないかと。普段の食事の中で楽しい雰囲気をつくること。例えば親が楽しんで食べていると、子どもたちもつられて食べてくれることが多いのではないでしょうか。

―― 書籍『志麻さん式 定番家族ごはん』では、野菜をたっぷり使ったメニューが豊富に紹介されていますが、志麻さんの家庭では、お子さんにとって苦手な野菜があったとき、どのように対応していますか?

志麻 うちではどんなものでも「一口だけ食べてみて」って言いますね。「一口だけ」と言うと結構食べてくれますし、食べてみて意外とおいしいと感じたら箸が進むこともあります。それでも駄目なら「何が嫌なのか?」を言ってもらいますね

たっぷりの野菜にソーセージをのせて煮込むだけ。野菜が甘く、軟らかくなる「ソーセージのブレゼ」の作り方は4ページ目で紹介します!