考える力を身に付けてほしい

── 今、2人のお子さんは5歳ということですが、どんなことが課題ですか?

Hさん 目下考えているのは教育ですね。私が学生時代にフランスに行って驚いたのが、フランス人はどんなことにも自分の意見を持っていて、いたるところでディベートが行われているということでした。

 大学までずっと日本の教育を受けてきた私は、意見があったとしても論理的に思考を組み立てて説明することが苦手で、相手の意見を感情的にならずに聞くことすら訓練されていないと実感していました。だからこそ、息子たちには小さいうちから考える力やそれを相手に伝える力を身に付けてほしいと思っています。

 こうした考えがあって、去年の秋にそれまで通っていた地域のこども園から、フランスの公教育をモデルにしているフランス系の幼稚園に転園しました。

── フランス系の幼稚園は何が魅力だったのでしょうか?

Hさん フランスでは「自分/あなたは、どう考えるか」という哲学を重視した教育を実施していて、そうした小さいうちから考える力を養おうとする姿勢に共感できました。

 世の中にはマルかバツかを答える問題よりも、答えがない問題の方が多い中で、そこを考える力を家庭での対話も含めて、大事にしていきたいと考えています。

 実はそんな中で興味を持ったのがDUALのこちらの記事「思考力深まる哲学対話、親子で実践する4つのコツ」 でした。

 家庭でももっと対話の機会をつくっていきたいと思い『5歳からの哲学 考える力をぐんぐんのばす親子会話』という本も購入し、参考にしながら息子たちと対話を試みています。まだまだ答え方はその時々で変わってきますが、考える体験は大事にしていきたいと思っています。

Hさんが購入した本。『5歳からの哲学 考える力をぐんぐんのばす親子会話』(ベリーズ・ゴート 、モラグ・ゴート著/ 高月園子訳/晶文社)
Hさんが購入した本。『5歳からの哲学 考える力をぐんぐんのばす親子会話』(ベリーズ・ゴート 、モラグ・ゴート著/ 高月園子訳/晶文社)