さまざまな分野の女性リーダーに、自分にとっての「働く」「育てる」を聞くこの連載。AI活用で事務作業を効率化する業務代行ソフトの開発を手がけるシナモンのCEO(最高経営責任者)平野未来さんは、2人の子どもを育てる母でもあります。前編では、海外での起業に踏み切った経緯やリーダーとして心がけていることについて聞きました。
(後編)平野未来 「好き」邪魔しない両親の方針 ITを仕事に

「グローバル展開したい」と思い、アジアで起業
―― 平野さんはシンガポールで会社を立ち上げた経験があり、現在はベトナムや台湾に開発拠点を置いて現地の人材を採用するなど、グローバルな展開をしています。それより前に海外で暮らしたり働いたりした経験があったわけではないのですね。
平野未来さん(以下、敬称略) はい、何もないところから。
―― なぜ海外で起業しようと思ったのでしょう?
平野 大学院に在学中、1社目を起業し、ケータイで一言日記を書けるSNSサービスなどを開発しました。その会社を2011年にミクシィに売却して、次は憧れだったグーグルのように「技術で社会を変えたい、そのためにグローバル展開をしたい」という思いを強くしていたんです。分からなくてもまずはやってみるという冒険家タイプなので、やってみようと。
「米国に行くか、アジアに行くか」という選択肢でした。最終的には、学生時代にバックパッカーで周遊したことがあったのと、国民性や文化を理解しやすいだろうと思ったことからアジアを選び、外国人が起業しやすい環境があるシンガポールに会社を設立しました。ベトナムに開発拠点をつくったので、実際に住んだのはベトナムです。
―― ベトナムを選んだ理由は?
平野 過去にベトナムを北から南まで2週間くらいかけて旅したことがあって。私は現地の人に顔立ちが似ているらしく、「ベトナム人?」と聞かれることが多く、「日本人です」と答えても「そうか、そうか。いいから一緒に食事をしていきなさい」と、温かく迎えてもらえたんですね。当時から「ここだ!」とビビッと感じるものがありました。創業時にベトナムに移住する決断をしたことは、私の人生の中で最良の意思決定の一つだったと思っています。
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- メンバーたちの自分では気づかない得意なことを伸ばしたい
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