さまざまな分野の女性リーダーに、自分にとっての「働く」「育てる」を聞くこの連載。2019年に東京大学で初の女性の学部長となった秋田喜代美さんは、新卒で就職した銀行を結婚退社した後、子育てに専念する中で「子どもの発達について学びたい」との思いを強くし、大学で学び直すことに。子育てと研究を両立した日々のエピソードについて伺います。

(後編) 大人が枠に押し込まなければ、子は自由に意欲伸ばす

秋田喜代美/東京大学文学部卒業後、銀行に就職して研修プログラムの作成などを担当。専業主婦を経て東京大学教育学部へ学士入学。同大大学院教育学研究科博士課程在籍時に次女を出産し、子育てと両立しながら博士課程を修了。立教大学文学部助教授を経て、2004年から東京大学大学院教育学研究科教授となり、2019年4月に教育学部・教育学研究科で東京大学初の女性の学部長・研究科長となる。専門は発達心理学、教育心理学、保育学、学校教育学。内閣府子ども子育て会議会長、教育再生実行会議委員、NPOブックスタート理事などを務める。
秋田喜代美/東京大学文学部卒業後、銀行に就職して研修プログラムの作成などを担当。専業主婦を経て東京大学教育学部へ学士入学。同大大学院教育学研究科博士課程在籍時に次女を出産し、子育てと両立しながら博士課程を修了。立教大学文学部助教授を経て、2004年から東京大学大学院教育学研究科教授となり、2019年4月に教育学部・教育学研究科で東京大学初の女性の学部長・研究科長となる。専門は発達心理学、教育心理学、保育学、学校教育学。内閣府子ども子育て会議会長、教育再生実行会議委員、NPOブックスタート理事などを務める。

「あなたはよい相手と結婚すればいい」と言われて育った

―― 秋田さんは1人目のお子さんを出産後に東京大学に入り直したのですね。学ぶことへの強い意欲があってこそだと思いますが、どのような環境で学んでこられたのですか。

秋田喜代美さん(以下、秋田) 小・中・高と国立大付属の一貫校に通い、教育環境として恵まれた中で学んできたと思います。親から愛されて育ちましたが、ただ母は、「お兄ちゃんは大学に行くけど、あなたは花嫁学校に行ってよい人と結婚すればいいのよ」と性別で私の将来を決めているところがありました。小学1年生くらいから、そういった母の考え方に違和感を抱き始めたと記憶しています。

―― そのように言われながらも、東京大学への進学を目指したのですね。

秋田 高校生のときに「このままずっと同じ環境に身を置いていていいのだろうか、外の世界を知らなくては」という思いが大きくなったんです。同級生に東大を受ける人が多かったので、周囲に流されるような形で挑戦しました。

 入学することはできましたが、今度は入学した途端に目標を⾒失ってしまったんです。当時、「東大の女子学生は3割しか結婚できない」といわれていたので、「私はそこに入ってみせる!」と、彼氏を見つけることが学生生活の目標のようになってしまって……。あれほど母の話に違和感を覚えていたのに、いつしか「お嫁さんになること」が目標になったことに特に問題意識も持たず、自由な時間を謳歌していました。

次ページから読める内容

  • 「そこまでして学ぶ意味があった」と思える研究をしよう
  • 一生という長いスパンでワークライフバランスを捉える
  • その人らしさを生かせる環境かどうかが大切

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