さまざまな分野の女性リーダーに、自分にとっての「働く」「育てる」を聞くこの連載。不動産開発やホテル事業を手がける森トラストの代表取締役社長、伊達美和子さんは45歳のとき、祖父が創業した会社の経営を父から引き継ぎました。子育て経験を踏まえた人材育成論や、21世紀を生きる子どもたちに求められるスキルなどについて伺いました。

(前編)伊達美和子 自分に足りない経験積めば次につながる

聖心女子大学文学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。森グループ創業者の故・森泰吉郎氏を祖父に持つ。総合コンサルティング会社を経て、1998年に森トラストに入社。取締役、常務、専務を経て、2016年、45歳のときに父の森章氏(現会長)の後継者として代表取締役社長に就任。森トラスト・ホテルズ&リゾーツ代表取締役社長を兼任し、都市開発のほかにホテル事業も幅広く展開している。子ども1人を育て中。
聖心女子大学文学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。森グループ創業者の故・森泰吉郎氏を祖父に持つ。総合コンサルティング会社を経て、1998年に森トラストに入社。取締役、常務、専務を経て、2016年、45歳のときに父の森章氏(現会長)の後継者として代表取締役社長に就任。森トラスト・ホテルズ&リゾーツ代表取締役社長を兼任し、都市開発のほかにホテル事業も幅広く展開している。子ども1人を育て中。

若いうちから達成感を味わってもらう機会をつくりたい

―― 伊達さんは重責を担う立場にあって、目の前に困難や課題が……というとき、その壁をどのように乗り越えるのでしょうか。

伊達美和子さん(以下、伊達) 思うようにいかないことにぶつかったときは、「逃げ出したい」と慌てたりはしません。むしろ、「どうやってクリアしようかな?」と考えることに楽しさを見いだすタイプですね。困難に思えるレースを走り切ったときにうれしくなるので、マラソンに似ています。ハードルをクリアできたら、それは達成感が得られてうれしい経験となりますよね。

―― クリアできた経験があれば、次にハードルに直面したときの捉え方も変わってくるかもしれませんね。

伊達 女性の場合、仕事の場でそのうれしさや達成感を味わう前に、結婚・出産を迎えるケースもありますよね。ですから、私はライフイベントが訪れる前から、女性社員たちにその達成感を味わってもらう機会をつくりたいんです。

―― というと?

伊達 若いうちから、小さなことでも「この部分は自分自身の決断でやり切った」と思える経験を積んでほしいということです。なにも、大きなプロジェクトを成功させるという壮大な話ではないんです。スモールステップの成功体験をいくつも積み、「努力すれば報われる」という体験をしていれば、チャンスが来たとき積極的に食らいついていけるようになると思います。

 企業はともすると年功序列になりやすい一面がありますから、大きな案件とは別に単発のプロジェクトをつくり、若手社員にもリーダーを任せる機会を増やしてあげることを意識しています。研修の中で若手社員がリーダーシップを発揮できる機会などはすでに設けていますので、さらに実務に応用できるのかを試している段階です。

―― 人材育成の方針には、子育ての経験も影響していますか?

次ページから読める内容

  • 「少し頑張れば達成できる」のラインを見極める
  • 「やりたいかどうか」で考えてみる
  • 人生のマップを子ども自身が描けるように

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