本連載では、学校への取材経験が豊富な教育ライターの佐藤智さんが、現役の先生たちに保護者が気になることを聞いていきます。連載第2回のテーマは「探究活動」。最近よく耳にする「探究活動」とは何なのか。これまでの授業とはどう違うのか。保護者会では出てこない先生のホンネや小学校のリアルな事情を聞いていきましょう。

【親が知りたいことを直撃! 先生のホンネ 学校のリアル】これまでのラインアップ
いじめた側を出席停止にしないのはなぜ? 先生の本音は

【話を聞いた先生】
A先生 兵庫県の公立小学校に勤務。民間教育機関勤務を経て先生になり11年目。
B先生 神奈川県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり15年目。
C先生 都内の公立小学校に勤務。新卒で先生になり13年目。

探究活動とは何か? 子ども発端の学びの重要性

 最近、よく耳にするようになった「探究活動」。しかし、保護者からは、「調べ学習とどう違うの?」「どんな力を身に付けさせるもの?」といった疑問の声が上がる。そこで現場の先生たちに「探究活動とはそもそも何なのか」という問いをぶつけてみた。

 兵庫県の公立小学校で探究活動に力を入れているA先生はこう説明する。

 「探究活動には下記の4つのステップからなるサイクルがあります。

(1)課題の設定→(2)情報の収集→(3)整理・分析→(4)まとめ・表現

 この4つのステップを1サイクルとして、そこから振り返りをし、2サイクル目を回していきます。これまで言われてきた『調べ学習』は探究活動の一つのステップ(ステップ2に当たる)だといえます」

 小学校で探究活動を行うのは、1・2年生では主に生活科、3年生から6年生では「総合的な学習の時間」だ。中学校、高校でも、探究活動を重視することが新しい学習指導要領(中学校では2021年度から、高校では2022年度から実施)で示されているため、12年間にわたり取り組んでいくこととなる。加えて、新学習指導要領ではすべての教科で探究的な視点を取り入れることとなった。高校では「歴史探究」や「地理探究」といった探究の冠を付けた科目も新設されている。

 探究活動では具体的にどういったことが行われているのだろう。小学2年生を担当するB先生が具体例を紹介してくれた。

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