女の子の親の皆さん、最近、子どもと生理(月経)について話していますか? 性教育は大切と思いながらも、なんだか苦手という人も多いのではないでしょうか。そこで、小中高生に対する性教育に取り組んでいる産婦人科医の宮川三代子さんに、子どもと生理について話すコツや生理痛を我慢させることのリスク、根本治療につながるホルモン療法などについて聞きました。

【年齢別記事 中学生~大学生のママ・パパ向け
ほかの記事は下記でチェック!】

◆これまでの記事一覧はコチラ
◆2022年11月の記事はコチラ

「ひどい状態」になる前に受診を

 初めての生理はだいたい10~14歳に来ます。親は、娘に初経が来るまでは「そろそろだろうか」と心配して、その後も困ったことはないかと気にするものです。しかし、しばらくして慣れてくると、話題にすることはなくなってくるのではないでしょうか。もともと親子で性の話をあまりしてこなかった場合、生理のことを口にするのを気まずいと感じている親もいるでしょう。

 産婦人科医の宮川三代子さんのもとには、生理痛や月経前症候群(PMS)をずっと我慢していたという10代後半から20代の女性が多く受診してきます。そこには、「生理痛は病気ではないのだから我慢しなさい」と親に言われたり、生理前にイライラするのは「思春期のせいだから仕方がない」と親に思われたりしていて、中高生の時に受診する機会を得にくい背景があるためでは、と宮川さんは話します。

 宮川さんが気にしているのが、20代前半に子宮内膜症の人が増えていることです。子宮内膜症は不妊症や産科合併症(早産や前置胎盤など)につながることもある病気です。

【この記事で読める内容】
・子宮内膜症の原因と、若い女性に増えている理由
・思春期の子どもを通院させるには、話しやすい親子関係が不可欠
・子どもと生理について話しにくい親にお勧めの情報の取り方
・鎮痛剤の正しい飲み方と、ありがちな誤解
・2つのホルモン治療 それぞれの特徴
・ホルモン治療に抵抗がある親が知っておきたいこと