高学年以上になると、わが子から「みんなからは陽キャ(陽気な人の意)だと思われている」「クラスに陰キャ(陰気な人の意)の子がいる」などと、自分や他人を「キャラクター認定」している発言を聞くことがあるかもしれません。「キャラ」という言葉を用いた友達同士のコミュニケーションに問題はないのでしょうか。筑波大学人間系助教の千島雄太さんに解説してもらいました。

集団の中での立ち位置を表す「キャラ」

 子どもが小学校の高学年以上になってくると、「中学で『キャラ変』できて助かった」「あの子は『陽キャ』だから」といった発言を耳にすることはないでしょうか。また、もしかしたら人知れず「『陰キャ』から抜け出したい」などと悩んでいるかもしれません。

 友達同士の間で「キャラ」という用語を用いたコミュニケーションが使われ始めるのは主に高学年から。「キャラとはキャラクターの略語であり、集団の中での個人の立ち位置を表す言葉です」と説明するのは、教育心理学が専門で、青年期の友人関係やアイデンティティー形成に関する研究を行っている筑波大学人間系助教の千島雄太さんです。

 こうしたキャラクターを介してのコミュニケーションに問題はないのでしょうか。親としては、キャラを介した「いじり」がいじめに発展しやすいのではないか、わが子が意に沿わない「キャラ認定」をされていたらどうすべきなのか、といったことも気になります。

 千島さんは「小・中・高・大学と子どもの成長に応じて、キャラ・コミュニケーションのあり方が変わる」と指摘します。

 「キャラがコミュニケーションの一環となって居場所の獲得やアイデンティティーの確立に役立つ場合もあれば、『本当の自分はこうじゃないのに』と悩むケースもあります。それを見極める意味でも、親はまず、わが子が成長のどの段階にあるのかを知っておくといいでしょう」

 それでは、キャラ・コミュニケーションが子どもの自己肯定感や人間関係に与える影響などについて詳しく見ていきましょう。

詳しくチェック!
・子どもがキャラを自覚するのは何歳ごろ?
・キャラを持つ子、持たない子の割合は
・キャラは対人コミュニケーションに役立つ場合も
・わが子が自分のキャラに悩んでいたら? 親ができる2つの手助け