子どもが中学生になり、小学校の時よりも成績が下がったと感じていませんか? テストの点は良いのに、通知表の評定は期待したほどではなかったということも多いようです。内申点が重視される公立高校の受験に向けて不安を感じている人もいるでしょう。そこで、小・中・高校生を対象とした進学塾・Z会進学教室で20年以上にわたり高校受験生を指導してきた長野正毅さんに、評定アップのために新学期からどのような心構えで授業に臨めばよいかを聞きました。

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(1) 反省10秒、すぐ未来を向ける思考パターン育む声かけは
(2) テストの点はいいのに通知表が悪い子の内申アップ作戦 ←今回はココ

テストの点はいいのに評定が悪いのはなぜ?

 中学1年生の1学期の通知表に驚く親子は少なくありません。こんな声もよく聞きます。「小学校ではいつも100点。『あゆみ(通知表)』も『とてもよい』がたくさんあったのに、中学生になったら3ばかりで、良くて4。5はほとんどない……。定期テストの点はよかったのに」。このようなことが起こるのはなぜなのでしょうか。

 中学校の評定の付け方は次の通りです。複雑なので、事前に解説プリントを配布したり、保護者会で説明が行われたりする中学校が多数です。

・教科ごとに「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点について、「◎・○・無印」「A・B・C」のように3段階で評価される。テストの点もここに反映される。
・観点評価の組み合わせによって「1~5」の評定が決まる。
・観点評価は、テストの点だけでは決まらない。授業や課外活動での取り組み方、ノートの取り方やリポートなどから多面的に評価される

 2020年2月までZ会進学教室の渋谷教室長を務め、多くの中学生を指導してきた長野正毅さんは「小学生である程度勉強ができたのに、中学の成績が伸びない場合は、学校が求めているものと本人の間に乖離(かいり)があることが考えられます」と話します。

 成績に悩みがあるとき、小学校時代は親が面談などで相談していたかもしれませんが、中学生になったら、子どもが自分で先生に聞きに行けることが大切だそうです。その理由や学校が求める生徒像について、詳しく聞いていきましょう。