首都圏には、大手予備校や個別指導塾に加え、難関国立大学・私立大学、医学部を目指す中高一貫生の生徒を対象とした塾がそろっています。中学校の説明会や入学手続きの日に正門付近でビラをもらって、名前を見たことがある塾もあるのではないでしょうか。意欲的な中高一貫生が通う、知る人ぞ知る塾について、自らも高校受験、大学受験の個別指導塾を経営し、最近は教育系YouTuberとしても活躍する、個別指導塾CASTDICE塾長の小林尚さんに解説してもらいました。

【年齢別記事 中学生~大学生のママ・パパ向け】
(1) 中高一貫校に入学後、塾に行かなくても大丈夫?
(2) 鉄緑会、平岡塾、SEG…意欲的な中高一貫生に人気の塾 ←今回はココ

理数系は鉄緑会かSEG

 難関校の中高一貫生から圧倒的に支持されている塾は、何といっても鉄緑会でしょう。東大医学部、法学部の学生および卒業生によって1983年に設立されました。本部校舎(東京都渋谷区)、大阪校、京都教室、西宮北口教室の4校舎を展開しています。

 「私は開成出身ですが、クラスの半数は通っていたと思います。中高一貫校の生徒を対象とした東大受験専門塾ですが、東大だけでなく、難関医学部にも多数の合格者を出しています 」と小林さんは言います。

 開成、桜蔭、筑波大学附属駒場、麻布などの難関校を指定校とする徹底した精鋭主義でも有名で、指定校の生徒は中学1年生の一定期間のうちは入塾テストを受けずにオープンコースに入塾できます。その期間を過ぎたり、指定校以外の学校の生徒が入学を希望したりする場合は、入塾テストに合格すれば入塾が可能です。

 「東大受験に最適化されたカリキュラムは非常にハイレベル、かつ、速いです。特に数学に関しては中学3年生までに高校の範囲を終え、高校生になってから同じ範囲を繰り返し学習しつつ、難関大対策に時間をかけられるようにカリキュラムが組まれています。宿題が非常に多く出されるのも大きな特徴です」

 講師は、東大卒の専任講師を中心に、現役東大生、東大院生およびその卒業生から構成され、大半は鉄緑会の出身者です。それだけに講師と生徒が先輩と後輩のような関係で、親身に指導してくれるのも親からすると魅力的かもしれません。「一方で、進度の速さと宿題の多さで、挫折してしまうお子さんも少なくありません」