得意なことを伸ばした先に見えてくるもの

 得意なことを努力して伸ばすメリットは、効率の良さだけではないと思います。1つのことを頑張っていると、その先にもう1つ、別の得意なことが見つかるはずだと僕は考えています。

 僕自身の例を挙げると、ダンスを続ける中で、ダンスを人に教える「教育」という得意分野が見つかりました。そして教育の分野で、大学の客員教授をしたり、社会人大学院に入学して学びを深めていったりしたことが、EXPG高等学院の学長就任という形で実を結びました。

 ダンスを続ける中で見つかったもう1つの得意分野は「人を喜ばせること」です。コーヒーが好きということも重なり、それがAMAZING COFFEEという形になりました。

 また、AMAZING COFFEEをプロデュースしていく上で、大学院の講義で学んだことを実践することもできました。自分のやってきたことがどんどん重なり合い、予想外のことが起きるんだなと実際に体験してみて思います。自分の幅を広げるためには、まずは今の自分が得意なことをとことんし続けるのが大切なのかもしれません。その連鎖を、今後も起こしていかなければならないと思っています。

 「人生100年時代」といわれますが、僕は自分が50代、60代を迎えるのが楽しみで仕方ありません。将来は自分の入る老人ホームをつくりたいという夢もあります。もちろんいろいろなハードルがあると思いますが、困難があると自分の中から「絶対負けねえ!」というすごいパワーが湧いてくるんです。なりたい自分をかなえるためには、今すべきことを全力でするというシンプルなことが1番大切だと思います。

構成/都田ミツコ