これからの時代に求められるリーダー像

 これからの時代、リーダーに求められる資質の1つは「一人ひとりの強みを見つけて伸ばしてあげられること」だと考えています。それを意識するようになったきっかけは、自粛期間中に受講した、あるオンライン講義でした。大学教授が主催したMBAの講義で、自分の強みや弱みとは何かを掘り下げていく内容だったんです。

 その中で最も印象的だったのは「自分の弱みをカバーするよりも、強みを伸ばしたほうが効率が良い」という考え方でした。その例えとして「自分の名前を短時間でたくさん書けるようになるためには、利き腕とそうでないほうの腕、どちらで練習したほうがより効率がいいですか?」という問いかけがありました、答えは明白ですよね。

 振り返ってみると、僕は以前から周りの人の得意なことを見つけて「それ、もっとやってみれば?」と伝えることが多かったんです。友達が「いつかこれをやりたい」と言ったら「いつかじゃなく、今からやってみたら?」と思うんです。自分では自然にやっていたことだったのですが、間違っていなかったんだなと再認識することができました。

 日本人は、自分や他人の弱点に注目して、それを補おうとする傾向が強くあるように思います。そのために全体が平らになってしまうのではないでしょうか。子どもの習い事などにも言えるかもしれません。子どもは年齢やタイミングで得意不得意が大きく変わるので一概には言えないのですが、苦手なものを無理して克服しようとするより、得意なことを見つけて伸ばしてあげたほうが、本人も楽しみながら続けられると思います。