自分の要求や理由を、自信を持って説明できるように

 大学院に入学すると、先生方はもちろん、同級生や、学部の若い子たちの優秀さに改めて驚かされました。彼らと話をするだけで、新しい世界を知ることができました。

 特に教授陣には圧倒されました。議論をしても全く太刀打ちできない教授がいて「それを言われたら僕は黙るしかありません」と降参するしかない(笑)。本当に打ちのめされました。でもその経験ができたからこそ、僕が歩んできた人生の強みも理解できたし、大学院での学びとの相乗効果を出したいと思えるようになりました。

 スケジュール面はやはり厳しく、睡眠時間を削って勉強したことも。パソコンも最初はほとんど使えませんでした。でも、パソコンでも何でも、僕が一生懸命勉強して少しずつ自力で前に進んでいると、「このやり方のほうがいいですよ」とか「こうすると楽ですよ」と助けてくれる人が現れます。ただし、一生懸命頑張らないと絶対に現れません。これには不思議なサイクルを感じますね。

2018年に、早稲田大学大学院スポーツ学科研究科を修了
2018年に、早稲田大学大学院スポーツ学科研究科を修了

 僕が取り組んだ修士論文のテーマは、中学校の体育で武道とダンスが必修化されたことで、どう教えればいいのか困っている先生たちを補助することでした。論文執筆のために学習指導要領を読み、学校の仕組みを調査しました。中学校の先生たちにとって分かりやすい内容にするために、現場の先生方にインタビューを実施したりもしました。そうやって経験のないことに取り組むことで、自分のキャパシティーを少しずつ広げている感覚がありました。

 専攻以外にも、大学院ではMBA向けカリキュラムの一部の授業を選んで受講することができました。「AMAZING COFFEE」をプロデュースしていることもあり、経営やリーダーシップの基本を履修できたことは大きな経験でした。

 今まで先輩やEXILEのメンバーたちから教わったことの裏付けを知識として得ることができ、それによって、自分の要求やその理由を、自信を持って人に説明できるようになりました。このとき僕は37歳でしたが「勉強って一生しなければいけないんだな」と感じましたね。