EXILEのパフォーマーとして活躍しながら、ダンスにまつわる研究・教育に力を注ぎ、コーヒー店のプロデュースも行うEXILE TETSUYAさん。従来の枠に捉われない活躍の背景には、パフォーマー、研究・教育、コーヒーの3つを人生の軸とする「三つ編みライフ」という考え方があると話します。この連載では、主に教育者やビジネスパーソンとしての視点から、自由に思いを語っていただきます。

第1回は、TETSUYAさんが長年関わってきたダンス教育について。4月に学長に就任する「EXPG高等学院」への思いも聞きました。

子どもが変わるのは「挑戦」したとき

 皆さん、こんにちは。EXILE TETSUYAです。1981年生まれ、日経DUALの読者の皆さんと同年代です。

 2019年の子どもの習い事の人気ランキングには、第9位に「ダンス」が入っているそうです(バンダイ「子どもの習い事に関する意識調査」2019年結果より)。僕は今、EXILEのパフォーマーとして活動していますが、実は初めてダンスに出会ったのは19歳のとき。そんな僕からすると「すごい時代になったな」と驚かされます。

 今回は僕が10年以上ダンスを指導する立場に立った経験から、子どもたちに「教える」ことについてお話ししたいと思います。

 僕は2006年から「EXPG STUDIO」でインストラクター、13年から『Eダンスアカデミー』(Eテレ)で子どもたちにダンスレッスンをしています。14年からは淑徳大学人文学部表現学科で客員教授を務め、20年4月には、ダンスを学びながら高校卒業資格が取れる「EXPG高等学院」の学長に就任します。

 ダンスと教育に関わる中で、僕が最も大切にしているのは、子どもが持つ「やりたい!」という気持ちを止めないことです。これはダンスに限らず、子どもの成長すべてに通じることではないでしょうか。

 子どもに1回も挑戦させることなく、最初から「ダメだよ」とは言わないであげてほしい。周囲に迷惑をかけたり、人を傷つけるようなことを除けば、子どもが「やりたい」と言うことを止める必要は全くありません。やってみて、失敗したら、その時に相談に乗ってあげればいいんです。

 なぜかというと、僕が子どもたちと接していて「この子、変わったな」と思うのは、その子が何かにチャレンジしたときだからです。挑戦した結果がどうであれ、その子なりの「何か」を感じたときに、「少し大人になったな」と成長した瞬間を垣間見ることができるんです。

 また、「教える」ことに関しては、先輩のUSAさんからいいアドバイスをもらったことがあります。