四釜喜愛さんが園長を務める「食と森の保育園 小松島」は、保育目標に「食べ物と健康の関わりに関心を持つ」ことを掲げるなど、その名の通り食に力を入れている保育園。「毎日の食事作りが負担」「作ったのに食べてくれない」など、悩み多き3~5歳の「食」について、四釜さんにお話を聞きました。

味や栄養より、楽しい食卓の雰囲気をつくることが大事

日経xwoman DUAL(以下、――) コロナで外食も気軽にできなくなり、これまで以上に、食事作りに負担を感じています。とはいえ、食事は健康に直結する部分でもあるので、手を抜くと罪悪感が生まれてしまって。家庭における3~5歳の食事で、大事にすべきことを教えてください。

四釜喜愛さん:(以下、敬称略) 栄養や食育ももちろん大事ですが、一番は親が「あまり頑張りすぎないこと」だと思います。誰でも、頑張って用意した食事を食べてもらえなかったらイライラしますよね。「疲れて帰ってきて、一生懸命作ったのに……」って。でも、親がイライラして、食卓の雰囲気が重く、つまらないものになってしまう、これが一番良くないです。それならいっそ、あまり頑張らないほうがいいと思っています。

 子どもにとって食卓は、ほっとできる空間であってほしい。忙しくて余裕がなかったら、無理に作らず、買ってきたお総菜でもいいと思います。その分、心に余裕を持って、ごはんの場を楽しくするほうに力を割いてください。「緑黄色野菜を食べさせないと」「五大栄養素が不足しているかも?」など、いろいろ心配になってしまうかもしれませんが、基本的に子どもは保育園で、栄養管理された給食を食べています。家庭の食事では「パパやママとごはんを食べると楽しい」と子どもが思えるほうが、手作りの食事を提供するよりも大事だと、私は考えています。

 幼児期は味覚が決まる時期ですし、この時期に「おいしい」と感じたものは、大人になっても好む傾向があると言われています。薄味で素材の味を生かしたものを食べてもらいたい、そう考えるのは分かります。ただ、それよりも意識してほしいのは、「おいしい」と思う条件を考えてみること。親が「何で食べないの!」とイライラしている中で食べたものを、子どもがおいしいと感じるでしょうか。味以前に、みんなでおしゃべりするなど楽しいと感じられる雰囲気をつくることが大事ですし、それは親の側に心の余裕がないとできないですよね。

その日の給食の写真やメニューを玄関などに掲示しているのは、園からの帰り等に「これ美味しかった!』などと親子の食事の会話が増えてるように、という意図
その日の給食の写真やメニューを玄関などに掲示しているのは、園からの帰り等に「これ美味しかった!』などと親子の食事の会話が増えてるように、という意図
その日の給食の写真やメニューを玄関などに掲示しているのは、園からの帰り等に「これ美味しかった!』などと親子の食事の会話が増えてるように、という意図

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  • 偏食は長い目で見て対応を
  • 「一緒に楽しんだ」経験が、食への興味を育む

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