花王では、2021年1月1日付で新たに2人の女性執行役員が誕生した。コンシューマープロダクツ事業統括部門のハイジーン&リビングケア事業部門長として執行役員に就任した堀田夏実さんは、一女を育てながら、さまざまな商品・ブランドのマーケティング業務に従事してきた。「(子どもがまだ小さかった)あのとき、もう少し楽な働き方をすることを選択していたら、おそらく今の私はなかった」と話す堀田さんに、これまでの歩みや、仕事と育児の両立について聞いた。

【前編】花王執行役員 「何もかも中途半端」な日々を乗り越えて ←今回はココ
【後編】花王役員 管理職への打診は「認められた証」と考えて

「出産後も働き続けたい」という価値観は譲れなかった

 男女雇用機会均等法が施行されて3年目となるタイミングで、社会人としてのキャリアをスタートした堀田さん。新卒で入社した大手通信会社に3年間勤務したのち、中途採用で花王に入社したという。

花王 執行役員 コンシューマープロダクツ事業統括部門ハイジーン&リビングケア事業部門長、ホームケア事業部長 堀田夏実さん
花王 執行役員 コンシューマープロダクツ事業統括部門ハイジーン&リビングケア事業部門長、ホームケア事業部長 堀田夏実さん

 「国家公務員として働いていた母親の背中を見て育ったこともあり、『出産後も働き続けたい』というのは、私にとって譲れない価値観でした。そのため、会社を選ぶ際は、『男女の区別なく責任ある仕事を任せてもらえるか』『女性でも定年まで勤め続けることができるか』という点を重視していました」

 新卒で入社した会社で、「マーケティング」という仕事が存在することを知り、興味を持ったという堀田さん。その会社ではマーケティング業務に直接携わるチャンスには恵まれなかったが、花王のマーケティング事業部門で求人が出ていることを知り、迷わず応募したという。

 「当時の私はマーケティング業務に関しては全くの未経験でしたが、採用されたのは幸運だったと思います」

 衣料用洗剤の担当となった堀田さんは、商品の企画立案・生産・販売といった事業管理から広告デザインに至るまで、幅広い業務を担当。「自分の出したアイデアが実際に商品となって店頭に並び、テレビCMなどの広告も次々と形になっていくことに大きなやりがいを感じていました。ダイレクトにお客様の声を聞けることもうれしかったですね」

 花王に入社して6年目、担当したおしゃれ着用洗剤「エマール」がブランドシェアを2倍以上に拡大するスマッシュヒットとなった後に、出産を迎えた堀田さん。約1年間の育休を取得後に復帰したが、復帰前は不安も感じていたという。

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  • マーケティング事業部門で育休復帰した初の女性に
  • 異動・昇格・子どもの小学校入学と変化が重なり
  • 役職が上がるにつれて仕事のやりがいも変わる

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