連載マンガ「パンダ親父」でおなじみの一家が、築45年の古家を建て替えることに。今夏の竣工を目指し、パンダ親父のこだわりがさく裂した実録ベースの家づくりエッセイをお届けします。前回、住宅の設備にこだわりまくったパンダ親父が、いよいよ詰めの作業に追われます。

パンダ親父一家
フリーランスで働く夫婦と、長男・クマ(9歳)、長女・ウサ(6歳)の4人家族。マニアックなパパと直感派のママが一風変わった注文住宅づくりに挑戦します!

住宅メーカーからの、衝撃な一言

 ハウスメーカーさんの「できない」には、「不可能」って意味と「やりたくない」って意味と「やらない方がいいよ」って意味の、3種類があるよね。勉強したら聞き分けられるようになるけど、分からないと損するね。

 正式契約後、それまで毎週だった打ち合わせの頻度が、2週間に1回に減った。とはいえ、わが家を造っていく作業だから、これまで以上に真剣に取り組まなきゃいけないよね。

 パンダ親父一家がパートナーに選んだサンサン建築設計の進め方はシンプル。契約時点での仮図面と見積額をベースにしている。そこから仕様を豪華にしたら金額が上がり、削ったりランクを落としたりすると金額が下がる。調整を繰り返して発注内容を一つずつ確定していくので、明快で分かりやすい。

 建築本を何十冊も読みあさり、朝から晩まで建築系ユーチューバーの動画を流しっぱなしにする"建築ビチャビチャ"の生活。知識はたくさん得られたが、それが現実的なのかどうかは分からない、いわゆる「頭でっかち」状態に陥る。

 このゾーンに入ると、わが家の担当に就任してくれた若い建築士さんの言うことに、意味もなく不安を感じる。良くない傾向だ。

「そんな断熱材の厚みで足りるんですか?」
「ここにひさしがないのはおかしくないですか?」
「こんなところに窓は要りません」

 住宅のプロに対して生意気にも対決姿勢をとってしまう、でか頭パンダ親父。そんな折、建築士さんから衝撃の一言が。

 「ウチの会社は、これまでローコストの建売住宅ばかり造っていました。でも最近、高性能住宅を造れるメーカーを目指そうと方向転換したんです。ですから、今は勉強中なんです。」

 「えええええーっ 今、それを言う?!?!」

 「自慢の設計部隊」って一体何だったの?(パンダ親父が勝手に名付けただけだけど)。しかし私、パンダ親父。そんな痛いところをサラっと話してくれた若い建築士さんに対して、一気に信用を高めてしまう。

 同時に、これまでプロに物申すたびに感じていた後ろめたさにも「言っていいんだ」という免罪符をもらった気になった。なぜか「このメーカーを選んで良かったぁ」という思いが一層強まることに。われながら、おかしな性格だ。

日経DUALの人気連載「パンダ親父」をまとめた電子書籍『パンダ親父』がついに発売!

笑いアリ、苦笑アリ、4コマの巨匠、吉田戦車さんも「やや絶賛」の充実した内容となっています。
書籍用に描き下ろした「未公開4コマ」に加え、絵本バージョン「パンダ親父」も盛り込まれています。
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『パンダ親父』(本体900円+税)
●春の章
●夏の章
●秋の章
●冬の章
●パンダ親父絵本「パパはおとな」

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