連載マンガ「パンダ親父」でおなじみの一家が、築45年の古家を建て替えることに。今夏の竣工を目指し、パンダ親父のこだわりがさく裂した実録ベースの家づくりエッセイをお届けします。前回、施工を依頼するハウスメーカーを決めたパンダ親父。一件落着かと思いきや、今度はあれやこれやと設備にこだわり始めます。

パンダ親父一家
フリーランスで働く夫婦と、長男・クマ(9歳)、長女・ウサ(6歳)の4人家族。マニアックなパパと直感派のママが一風変わった注文住宅づくりに挑戦します!


 観測史上最大級の台風が列島直撃。

 「ボロボロな我が家が耐えられるワケがない!」と戦々恐々だったが、逆に周囲の立派な3階建て群が防風壁となり、小さな我が家は強風の直撃を免れた。

 しかし各地で甚大な被害が…。

 今日はいよいよ、サンサン建築設計との正式契約。朝、目覚めてニュースを見ると大好きな首里城が燃えていた。がくぜんとしたまま契約の場へ。涙目のパンダ親父の第一声は

 「首里城を建ててください…」。

 なんとかなつ印して契約終了。複雑な心持ちで、東京での「我が城」の建築が正式スタートした。

 契約前同様、図面作りが続く。決めなきゃいけないことは大小多岐多様。階段手すりの金具の色、コンセントの高さ、収納扉の開き方、トイレのタオルハンガーの位置…なんてこれまで考えたこともなかった!果てしない!!

 同時にキッチン、お風呂、トイレ等々設備のショールーム行脚がスタート。時間を見つけてはアチラコチラのショールームを夫婦でハシゴする。幸い夫婦共に「シンプル好き」「値段の高いものに拒否反応を起こす」という共通点があるため、セレクトでモメることはほとんどない。

 着々と進んでいる手応えはあるものの、やらなきゃいけないことの残量は一向に減っていない感覚。それでも一個一個念入りに調べないと気が済まないパンダ親父の性格上、慢性的な寝不足状態に陥るのは当然の流れで…。

 本当にわれわれ家族(特にパンダ親父)の趣味嗜好は特殊だと思う。人気ランキングなんかに登場するような間取り・設備には「ケッ」とひねくれた反応をするが、え~それ?!というものに食いつきがちだ。だからどんなに優秀な設計士さんでも、ちゃんと話を聞いてくれたり、われわれに興味を持ってくれなかったりする人に「お任せ」という依頼をすることはあり得ない。

日経DUALの人気連載「パンダ親父」をまとめた電子書籍『パンダ親父』がついに発売!

笑いアリ、苦笑アリ、4コマの巨匠、吉田戦車さんも「やや絶賛」の充実した内容となっています。
書籍用に描き下ろした「未公開4コマ」に加え、絵本バージョン「パンダ親父」も盛り込まれています。
ぜひ「ポチっと」ご購入ください!

『パンダ親父』(本体900円+税)
●春の章
●夏の章
●秋の章
●冬の章
●パンダ親父絵本「パパはおとな」

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