これからも「見ること」を大事にしていこう

 最終日。よく晴れて気温も上がったので、再びリトルビーチに行くことにしました。今度はしっかりラッシュガードを着て、最初から息子たちと海へ。波に潜る次男に何度も「すごいね!」って声をかけて、一緒にジャンプしているうちに、冷たかった水が温かく感じられるようになりました。

 少し先の波の下にエイがいるように見えて3人でひしと身を寄せたり、大きな波にはしゃいだり。きっとこのことをずっと忘れない。彼らが幾つになっても私は、ちゃんと見届けるんだ。親のことなんて忘れてしまっているときはそれでいいけど、振り向いたときに、いつもそこにいてあげられますように

 それから私はまた以前のように、見ることを大事にするようになりました。遠く離れていても、フェイスタイムの画面越しに美術のスケッチを披露してくれる次男。日本から戻った私を出迎えて、手に入れたばかりのブラックライトでなぜか家中の汚れを照らしてくれる長男。荷物を解く私のそばでお土産のお菓子を食べながら、いつまでも起きている二人。「ママ、抱っこ!」って言わなくても、ハグすれば彼らが喜んでいるのが分かるし、私に見せたいものがたくさんあるのも分かります。

 いつも思うのです。たぶん親が子を思う気持ちの何倍も、子が親を思う気持ちは強い。そんなことないと思うでしょう? でも、子どもの気持ちにはかないません。彼らにとって世界は驚きの連続で、大きくなるのがうれしくて、その気持ちを最初にシェアしたい相手は、いつも親なのです。それが違う誰かになったときが、きっと自立の始まりなのでしょう。

(タイトルバナーの写真/稲垣純也)