「うちの子、朝起こしても、ぼぉ~っとしているんです。どうしたらいいんでしょう」
 今回の「今年こそは、ノーモア『急いで!』朝の時間改革」特集のアンケートではこんな声が本当に多く寄せられました。かくいう編集部員の子どもたちも、まさにこのタイプ。そこで、特集第2回では、早起き、朝時間活用と言えばこの方、ともいうべき早起きのエキスパート・成田奈緒子先生に登場していただきました。成田奈緒子先生は小児科医の立場から子どもたちの脳と眠りの関係について研究し、課題を抱える親子への指導を行っています。それでは、まず、「ぼぉ~」としてしまう理由からお聞きしていきましょう。

【今年こそは、ノーモア「急いで!」朝の時間改革 特集】
第1回 朝は時間との戦い!子どもの時間の概念、親とは違う
第2回 もったいない!“朝ぼぉ~”時間はなぜ起きる? ←今回はココ
第3回 朝食・着替え・朝学習 朝の悩みをトヨタ式で解決
第4回 編集部員たちが実践!朝のイライラがなくなった!
第5回 朝時間をスムーズにするお助けグッズ&アプリ

「朝起こしても、ぼぉ~っとしているんです」

 この問題に対して、成田先生はまず、「朝、起こさないといけないのが問題ですね。起こさなくても起きることを目標にしましょう」、と話します。

 でも、先生、それができれば、起こさないで済むのですが……。

 「起こさなくても起きるようになる方法は後にお話ししましょう。ママたちは起こした瞬間から活動してほしい。もしくはぼぉ~っとしている時間を短縮したいわけですね」。

 そうなんです。中には30分もぼぉ~っとしている子もいるようで。それなら寝かせておいた方がマシなくらいですよね。

 「そこです。実はぼぉ~っとしているというのは、体は無理やり起こされているけれども、脳はまだ寝ている状態。30分ぼぉ~っとしているというのも、ほとんど寝ているということなのですよ」。

脳が寝ているときに起こすからぼぉ~っとしている

 成田先生によると、睡眠中は下図のように深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠を繰り返しています。睡眠の前半は深い眠りのノンレム睡眠の時間が長く、後半になると浅い眠りのレム睡眠が多いというリズムが特徴。眠りの後半でもノンレム睡眠のときに起こされると、大脳皮質が眠り込んでいる状態なので、ぼぉ~っとしてしまいますが、レム睡眠のときにポンと刺激が入れば、パッと目が覚めるのだそう。

図出典:『早寝早起き朝ごはんガイド』(「早寝早起き朝ごはん」全国協議会)
図出典:『早寝早起き朝ごはんガイド』(「早寝早起き朝ごはん」全国協議会)

 そもそも、目が覚めるとはどういことなのでしょうか。目覚めのときに体の中で起こっていること、それをスムーズに起こさせるにはどうしたらよいのか、次ページから聞いていきましょう

<次のページからの内容>
● 脳は体の「目覚まし」
● 寝つきの良い子にするためにしてはいけない3つのこと
● ストレスが原因の朝ぼぉ~を解消する6つの方法
● 朝風呂は朝ぼぉ~時間を短縮させる特効薬!
● 安心して眠れる方法を見つければ子どもは自分で起きるようになる