「収納王子コジマジック」こと、一般社団法人日本収納検定協会代表理事の小島弘章さんが唱える“収育”についてお伝えする本連載。

最終回は、これからの時代に合った片づけについて。かさばる子どもの作品や絵をどう残していくか、ストックの適正量など、モノがあふれる時代だからこそ大切にしたいことをおさらいしていきます。また、「収納王子コジマジック」としての小島さんのこれからのビジョンも伺いました。

“捨てられない”子どもの作品

 前回、DUAL世代は何を残すべきか考えなければならない時期に入ったというお話をしました。捨てられないからと何でもかんでも残していたら、スペースも足りないし、子ども世代にとっても負担になりかねない。今回は時代に合った収納があるということをお伝えしたいと思います。その最たるものが“子どもの作品をどうしたらいいか”ということです。

 保護者からよく聞く悩みが「子どもが作ってきた作品や絵がかさばるけど、捨てられない」というもの。できれば全部取っておきたいけれど、どんどん増えて困る。それが原因で、僕も妻と大げんかをしたことがあります。

 一般的に、子どもの制作物などへの思い入れは女性のほうが強いのかもしれません。そして僕の妻は、それが一段と強かったように思います。妻は長男に発達障がいがあることを、自分のせいではないかと責めた時期もあり、そんな息子が「こんなモノまで描けるようになったんだ」と、思いがますます強まっていったのでしょう。成長が感じられるモノは絶対に取っておきたい、その気持ち自体はもちろん僕にも理解できます。

 ただこの先、長男も小学校に入り、どんどん作品が増えていったら、すべてを取っておくことは難しい。そこで僕は本当に取っておきたいモノだけを判断し、それ以外のモノは写真に撮ったり、スキャナーでスキャンするなどしてデータ化し、処分する方法を伝えました。すると、「あなたに私の気持ちは分からない!」と大げんかになってしまったのです。

長男が描いたママとパパ(僕)の絵
長男が描いたママとパパ(僕)の絵