デジタル収納は、現物保存より利便性が高い

 そして、「これもいる…これもいる…」と、泣きながら整理を始めたんです。その背中を見たら、「分かった。一度全部取っておいて、整理できるようになったときにやろう」と言うしかありませんでした。

 しかし次の日、「一人になってよく考えたら、あなたの言うことは正しい。この先のことを考えたら、どこかでラインを引かなきゃいけないことも分かる。厳選したから、処分するモノをスキャンしてデータ化して」と言ってくれました。無理やり処分してと言ってもダメで、自分で頭の中を整理して、自らが納得してから動くようにしないと、心が消化不良を起こすのだと思います。この件は僕にとっても、とても勉強になりました。それにしても、泣きながら整理していたあの光景は忘れられないですね…。

 子どもの作品をそのまま取っておくのは、昔からの考え方です。今の時代は、データ化して保存するデジタル収納をお勧めしています。データ化しておけば、結婚式のVTRに使えたりいつでも子どもにも見せられたり、現物保存より便利な面はたくさんあります。こうしたテクノロジーは、積極的に取り入れたいところです。

 「モノの適正量」という意味では、ストックにも要注意です。この前お邪魔したお宅では、娘さんが小学3年生になるのに、いまだにお尻拭きシートがあって、食卓の上を拭いたりするのに使っていました。そういう使い方のためにあえて購入しているのならまだ分かりますが、これは娘さんが赤ちゃんの頃にお尻拭きを買い過ぎて、いまだにストックがあるからウェットティッシュ代わりに使っているというんです。

 実際、物置きにはお尻拭きが詰まった段ボールがまだありました。ストックは買い過ぎると場所を取ってしまうので、まず1カ月にこれくらい必要だという適正量を把握して、その範囲内に収めるようにしましょう。そうすればモノも厳選されていきます。