子ども部屋は本当に必要か?

 小学生になると自分の部屋を持つ子も増えると思いますが、このタイミングで子ども部屋が必要かどうかは、一概には言えないと思います。僕がよく見るのは、子ども部屋をつくっても結局リビングにいることがほとんどで、部屋はただの荷物置き場になっているというお宅。昔は四畳半、六畳などの小さな部屋がある家が多かったのですが、最近は部屋の壁をとっぱらって、広めでオープンな間取りにする家が増えています。

 そうした住宅事情の中で、子ども部屋は必須というわけではないと思うんです。例えば、思春期になって個室が欲しいと言い始めたらそのときに考えればいいし、逆に中高生になっても子ども部屋を持たずにリビングで勉強しているお子さんもたくさんいます。

 これは余談になりますが、今、僕はリビング学習の研究をしています。「学力が高い子はリビング学習派」という説を聞いたことがありませんか? その説が本当なのかどうかを確かめたくて、編集者の方にお願いし、実際に100人の東大生にアンケートを取ってみたんです。すると、100人中なんと76人がリビング学習派という結果が出ました!

 個室に籠もりきった環境じゃなくても、しっかりした学習はできるんだなと実感することができました。小学生になったから急に個室で勉強できるかと言えば、まだまだ難しいと思います。それなら、リビングに勉強できるスペースを設けたほうがいいのかもしれません。