片づけを遊びにしてしまおう

 このように、まだ文字を習っていない未就学児には、お気に入りのカラーシールでマークをつけたり、衣類をしまうカゴには肌着やパンツのイラストをラベルにして貼ったりするといいでしょう。うちの息子は最近ひらがなが読み書きできるようになってきたので、文字も添えたりしています。このように子どもに合わせて工夫してあげると、子どもは遊び感覚で喜んで片づけてくれるようになります。

 散らかりがちな玄関も、同じ方法で解決しました。玄関の土間と下駄箱の中に、それぞれお気に入りの色の足形シートを作って貼ってみたんです。すると、ぐちゃぐちゃだった玄関に、足形シートに合わせて小さい靴がちょこんと並ぶようになりました。左右逆だったりすることもありますが、「こんなことができるようになったんだな」と子どもの成長を感じ、とてもうれしくなりました。

 仕組みづくりをしても、なかなかやってくれないというときは、子どもなりの理由があることも。息子は最初、足形シートがブルーだったのが嫌だったようで、グリーンに変えたら翌日からやってくれるようになりました。「この前までブルーが好きと言っていたはずなのに、今はグリーンなんだ」みたいな小さな発見や、好きなおもちゃやキャラクターも聞いて初めて分かることがあったりします。そうやって、子どもとのコミュニケーションにつながるのもうれしいことです。

足形シートの色にも工夫を
足形シートの色にも工夫を

「捨てるよ!」より「好きなモノを教えて」

 前回、「片づけなさい!」はNGワードだとお伝えしましたが、「片づけないんだったら捨てるよ!」もなるべく言わないほうがいいでしょう。皆さん、つい一度は言ったことありませんか? 「捨てるよ!」と言っても、子どもは「全部いる!」と言い張って、いつまでも片づくことはありません。

 では、モノがあふれて、片づかないときはどうしたらいいのでしょうか。「捨てるよ!」の代わりに、「この中から好きなモノを5個教えて!」と聞いてみてください。子どもは好きなモノを人に教えるのが大好きなので、一生懸命考えながら「あと何個選んでいいの?」と面白がってやってくれます。

 そして、好きなモノだけをいくつか選んでもらい、残りは分けておく。そして「こっち(残り)はどうする? お友達にあげよっか? バザーに出してみよっか?」と聞いて、子どもが納得できるような形で仕分けの練習をさせてあげるんです。箱に入るモノしか持たないと決めると、散らかることも少なくなります。このように、モノを手放すことをポジティブに伝えて遊びに変えれば、片づけが楽しみになります。