「モノを減らさなきゃ」と考える必要はない

 アンケートからは、多くのDUAL世帯がモノの多さに悩み、減らしたいと思っていることが見えてきました。モノが多ければ散らかりやすく、散らかっていれば日々の生活に様々なストレスが生じます。しかし、ライフオーガナイザーの会田麻実子さんは、「捨てなきゃ、減らさなきゃ、ということは考えなくていい」と話します。

 会田さんが専門とするアメリカ発祥の片付けや収納の考え方「ライフオーガナイズ」では、モノを捨てることを目的とせず、「自分にとって何が大切か」といった思考と感情の整理に重きを置きます。「思い入れがあるかどうかを整理しないままにモノを手放してしまうと、『やっぱりあれは大切なものだったのに、どうして手放しちゃったんだろう』と後悔することになる。結果的にモノを手放すことに臆病になります」

 また、会田さんは様々な家庭の片付けのお手伝いをするなかで、「片付けられない自分がダメなんだ」と追い詰められがちな人が多いことが気になるそうです。

 「片付けの仕事をしている私が言うのも何ですが、『それって、今焦って本当にやらなくてはいけないことなの?』と思うことがあります。お子さんが小さいうちは、どうしたって時間が取られるもの。ただでさえ少ない時間をやりくりしてきれいに片付けるよりも、最低限、必要なものが出しやすく、戻しやすい状態になっていればいいんです

 整理収納アドバイザーの大村信夫さんは、「片付けは『理屈』」と説明します。 「僕自身、片付けはセンスや才能がないと無理だと思い込んでいて、以前は散らかっているのも仕方がないことだと諦めていました。でも、やり方を知らないだけだったんです。子どもがモノを床に置いてしまうなら、そうしないよう収納までのアクション数を減らしたり、導線や使用頻度によって置き場所を決めたりする。おしゃれに収納する必要なんてないし、家族にとって使いやすい状態にスタンバイすることを考えていけばいいんです