働き方の多様化が広まっているとはいえ、デュアラーに急な残業や出張、休日出勤はつきもの。保育園の預かり時間だけでは仕事が回っていかないこともしばしばですね。そんなときの解決策の一つがベビーシッターです。でも、「頼んでみたいけれど夫が(妻が)反対している」、「他人を家に入れるのが心配」という声もよく聞きます。その背後には、シッターを頼んでいる人が社会的にはまだ少数派で、サービス会社や体験者からの情報が不足しているという事情もあるようです。
 そこで、日経DUALでは昨年に続き、読者とサービス会社へのアンケートを行いました。この特集ではアンケートの結果と分析、独自指標で配点・ランキング化した結果の発表などを6回にわたって紹介します。
 特集第1回では読者159人が回答したアンケートから50人の厳選コメントを紹介します。信頼できる “プロシッター”と出会えた人の声、「こんな人もいるの?」という驚愕の“残念シッター”の実情、シッター会社への不満、お気に入りシッター確保の苦労、シッター依頼で得られるよかったこと、病児シッター利用の感想、ファミサポ派に聞くメリットなどをじっくりご覧ください。

【ベビーシッターランキング2017 特集】
(1) プロシッターと残念シッター DUAL読者50人の声 ←今回はココ
(2) 台頭するマッチング型ベビーシッター3社を比較
(3) ベビーシッターサービス企業ランキング2017発表
(4) ベビーシッターランキング上位5社の評価と使用感
(5) 病児保育フローレンス・お迎えシスターどう使う?
(6) DUAL読者に人気のシッター会社 選ばれている理由は?

本アンケートは2017年10月に読者に対してシッターの利用状況を調査(2017年10月5日~11月10日調査。読者159人が回答)。回答者の内訳は女性が89.9%、男性が10.1%だった。子どもの人数は1人が42.1%、2人が41.5%、3人10.7%。子どもの年齢(複数回答)は2歳が25.8%、3歳が22.0%、4歳が17.6%、5歳が17.0%、1歳が16.4%の順に多かった。小学生は合わせて35.2%だった。
※アンケートのコメント後のカッコ内は業種と回答者の年齢、子どもの年齢・学年。

出会って15分で子どもを魅了! わが子を成長させてくれるプロシッター

 シッターは初対面の子どもとある程度の時間を過ごし、楽しく過ごさせるのが使命。かなりのスキルが必要といえるが、そんなシッターは本当にいるのだろうか? 読者が出会った真のプロシッターの様子を紹介する。

・開始の引き継ぎの15分で、子どもがスタッフに懐いてしまう!(42歳 教育・教育学習支援関係 年中)

数時間のシッティングでも、折り紙やあやとりなど、新しい遊びを一つ覚えさせてくれることがすごい。(32歳 コンサルティング 年中)

・元保育士の先生だったシッターさんが、幼稚園のお迎えの後他のお友達と公園で遊ばせてくれて、お友達ともより仲良くなれている。慣れてくるとお稽古事の送迎もやってもらい、私が帰宅すると園送迎+お稽古も終わっていて、時間を有効に使えている。 (36歳 金融・証券・保険 年中)

・よく泣き、頻回授乳になっていた生後5カ月の娘が、授乳時間も忘れてずっとケタケタ笑っていた(私は横の部屋で、資格取得の勉強をしていました)。そんなに楽しめるのだと私は複雑でしたが、専門家ってすごいな、頼ってもいいんだと思い直しました。(34歳 機械、重電 1歳)

・子どもがシッターさんを家族のように思っている。家でも何度もお名前が出てくる。毎回発達を促す様々なオモチャを持ってきてくれ子どもも来るのを楽しみにしているし、親と遊ぶだけより子どもの成長のためにもよいと感じる。(39歳 情報処理、SI、ソフトウエア 2歳・年長)

・母親以外の大人の価値観に触れることで、子どもが多様な考え方を受け入れる土台ができた。(48歳 人材サービス 小3・中1以上)

・なじみのシッターさんですが、子どもがあまりに失礼なときはビシッと叱ってくださいます。安心して子どもを任せられます。(45歳 運輸 年長・中1以上)

・子どものことを考えてくれて、年齢に合った工作などをしてくれた。(年齢未回答 食品、医薬、化粧品 年中)

・子どもの要求に臨機応変に対応してくれたし、おやつのときは、私にメールが来て了承を得てから与えてくれたので安心した。 (35歳 情報処理、SI、ソフトウエア 1歳・年中)

・シッターさんがお迎えに来ると泣いてばかりの三女が、あるシッターさんだと全く泣かずに機嫌よく過ごした。相性というかシッターさんの「質」ってあるんだな、と思いました。 (42歳 ピラティススタジオ経営 1歳・年長・小5)

・下の子が保育園に入れる月齢になるまでベビーシッターでしたが、上の子がとても懐きました。シッターさんが下の子をベビーカーでお散歩に連れていってくれた際、上の子が保育園のお散歩で見かけたそうで、道路越しに「○○さーん!」と呼びかけたそうです。シッターさんも遠くから気づいて呼んでくれた上の子の反応がとてもうれしかったらしく、帰宅後にうれしそうに伝えてくださいました。子どもも含めて家族とシッターさんとの信頼関係が結べていると感じたエピソードです。(34歳 医療  2歳・年中)

・不登校の子どものシッティングを頼んでいるが、勉強に無関心だった子どもに文字への興味を持たせてくれた。帰宅したら、書き込んだドリルを見せてくれた。マルつけはお母様に、と親子で学習に関わる機会を作ってくれたことにも感謝。(45歳 情報処理、SI、ソフトウエア 小2)

・「活発な子なので若い方に」と頼んだが、来てくれたのは50代年配の方。最初は不安だったが、外遊び付き合ってくれたり、学校の課題の縄跳びの練習をしてくれて、娘はとても楽しめたようだった。この方もこの方を選んでくれた事務所スタッフもさすがプロだと思った。(46歳 運輸 小1)

・帰宅すると、ごちゃごちゃだったリビングがきれいになっていた。娘が寝ている間に作業してくれたらしい。まだ若いシッターさんだったので気づかいにびっくりし、感謝した。(42歳 コンサルティング 年少)

 シッターの利用はいいことずくめのような印象がある一方、不満を書き込んだ人も多数いた。次ページでは「こんなシッターさんもいるの?」という驚きのコメントをお送りする。「知らずに頼んで後悔!」ということがないよう、今後のシッターやサービス会社を選ぶ際に役立ててほしい。

<次のページからの内容>
● 子どもに暴言、遅刻、指示待ち……「こんな人がプロ⁉」の残念シッター
● シッター会社のここに不満 ギリギリまで決まらない! 人がいない! 連絡がこない!
● 人気シッターは争奪戦! 代わりの人で子どもが号泣することも
● 気になる「料金」にまつわるコメントいろいろ
● 預かり報告は成長の記録 シッターがいっしょに子育てしてくれるみたい
● 親の気持ちや家事までサポート シッター利用で両立がラクに!
● 信頼できる病児シッターとの出会いで、親の不安が軽減
● 身近で安価だけど煩雑さが難点 ファミサポ派に聞く苦労とメリット