「共働きっ子」の習い事について、読者214人のアンケート結果や取材を基にお届けしている今特集4回目は、音楽系、お勉強系の習い事について紹介します。

 ピアノを習っている子は、読者アンケートではスイミングに次いで多いという結果になりました。では、教室を選ぶ際に、音楽教室がいいのかピアノ教室がいいのか、それぞれの違いは何なのでしょうか。気になる英語や、公文について、実際に続けることでどのような力が身に付くのか、費用と併せて探ります。

【共働きっ子 人気習い事大調査特集】
(1) 子どもの習い事 共働き親の満足と後悔を知りたい
(2) アンケ結果公開!やってよかった、無駄だった習い事
(3) 習い事で育つ力 人気のスイミング、バレエとサッカー
(4) 幼児期からピアノ、英語、公文をすると何が伸びる? ←今回はココ
(5) 親はどこまで頑張れる?「負担重すぎ」習い事
(6) 『ビリギャル』の坪田先生 習い事「やめ時」は?

●音楽教室、ピアノ編

幼児期からの音楽教育で聞き取る力と集中力がつく

 子どもに音楽を習わせたいと考える親御さんも多いもの。読者アンケートでも36.1%がピアノを習っているという結果になりました。しかし、音楽系の習い事はスポーツやお勉強系とは異なり、親御さん自身に音楽系の習い事の経験があって「この年齢になればこの教本に進むもの」といった“土地勘”がない限りは、そのゴールやメリットがはっきりと見えないという側面があります。

 どういう理由で、子どもに音楽を習わせたいのでしょうか。読者アンケートでは「クラシックの知識と興味が少しでもあるとないとでは、大人になってから大きく差が出るから」(女性、子ども:小3)、「子どもに音感がついた。音楽が好きになった」 (女性、子ども:小2)といった声がありました。

 また、自分が子どものころに音楽を習っていたので子どもにも習わせたいという人も多く見られました。 「ヤマハ音楽教室で、演奏することを通じて音楽の楽しさが分かった」(女性、子ども:年中)「 ヤマハ音楽教室に通っていたおかげで、大学生になってバンドを組んだときに知識が役に立った」(女性、子ども:小1)といった、音楽教室に“通っていてよかった”という声もありました。

 ところで、音楽教室とピアノ教室の違いは何なのでしょうか 。そして、 どんな力がつくのでしょうか。

音楽教室で習うのは楽器だけではない

音楽を続けるとこんな力が育つ!

・音感:音楽を聞き取る力
・音楽で自己表現する力
・集中力
・楽譜を読む力

 幼少期から音楽を習わせようと考えたときに、全国規模で展開しているというブランド力と安心感から、音楽教室を選択する人もいるでしょう。ヤマハ音楽教室は開設60年以上で、これまでに500万人以上の卒業生を送り出してきた老舗の音楽教室です。「ヤマハ音楽教室は、ピアノ、エレクトーンを単に弾くだけの場所ではありません。音楽を総合的に学習し、表現力・創造性なども身に付ける、総合音楽教育システムのカリキュラムを進めています」とヤマハ音楽振興会の山田有紀子さんは言います。

 具体的には、3歳(年少)からは「おんがくなかよしコース」、4歳・5歳(年中・年長)は「幼児科」というように、年齢に応じたコースで学びます。いずれも、親子一緒のグループレッスンです。小学生からは枝分かれして、「ジュニア総合コース(グループ・個人併用)」や「ジュニアピアノコース(個人)」などに進みます。レッスンでは、音楽を「聴く」「歌う」「弾く」「読む」「作る」ことを幅広く経験。子どもの発達に合わせて無理なく学べるよう、4、5歳の幼児科では、聴いたものを歌い、歌ったものを弾く、というプロセスを経てから最後に楽譜を見て確認します。「年齢が上がれば読む力もつきますので、楽譜から音楽のもつ表情を読み取り弾けるようになっていきます」と同・澤水真央さんは言います。

 こうした音楽を通してつく力として挙げられるのは、まずは音感です。「音感は7歳までに鍛えておくといいと一般的にいわれています。幼少期から始めることで育つ音感は、音楽を楽しむうえで一生の財産になります」。さらに、「音楽で自己表現する力はもちろん、楽譜を読む力も身に付きます。演奏中は楽器に集中して向き合うので、集中力も養うことができます。また、目標に向かって努力する経験は自信や自己肯定感につながります」。

 音楽教室は保護者同伴のグループレッスン制を採用しています。「お友達が上手に弾ける、歌えるというのがいい意味での刺激になって、自分もできるようになりたいという気持ちが芽生えるなど、そんな刺激を受けられるのはグループレッスンならではのメリットだと思います」と同・宮田智種さんは言います。

 総合音楽教室を全国展開している教室としては他にもカワイ音楽教室があります。こちらは4歳まではリトミック活動を導入しています。このように、ただ楽器を弾けるようになるのを目的としない、“音楽力を総合でつける”という点で、ヤマハ音楽教室やカワイ音楽教室では無理なく段階的に力をつけることができるシステムになっています。

 しかし、毎週の時間は固定で決まっており、振り替えがありません。親が平日に仕事をしていて、未就学児の場合は、土曜に開講している教室を選択せざるを得ないかもしれません。

 子どもがピアノを弾けるようになればいいな、というストレートな願望があるのであれば、個人のピアノ教室を探すのも手です。ただ、個人の教室はたくさんあり過ぎて、どこを見学すればいいのか迷ってしまうかもしれません。まずは家から近い、通いやすいところから検討してみるのが現実的でしょう。 友達が通っているから、といった口コミも有効なのでしょうか?

<次のページからの内容>
● 音楽教室とピアノ教室の違いは?
● ピアノ教室の選び方 先生との相性が、とにかく大事
● 英語は2~6歳の入会がボリュームゾーン
● 公文式の勉強の進め方、教材の中身は?