「共働きっ子」の習い事について、読者214人のアンケート結果や取材を基にお届けしている今特集5回目は、「親の負担」について取り上げます。

 習い事はさせたいが、平日に送り迎えをするのは無理。土日も用事が山積みで、子どもにばかり付き合ってはいられない――。習い事調査からは、多くの共働き親がこうした思いに頭を悩ませる様子が浮かび上がりました。

 中には負担が重すぎて、習い事をやめざるを得なかった家庭も……。共働きっ子の親は、習い事のためにどの程度まで「頑張れば」いいのでしょうか? 共働き親が習い事を選ぶ際にチェックしたいポイント、子どもの希望と親の負担の折り合いをつける解決法などを探ってみました。

【共働きっ子 人気習い事大調査特集】
(1) 子どもの習い事 共働き親の満足と後悔を知りたい
(2) アンケ結果大公開 やってよかった、無駄だった習い事
(3) 一番人気のスイミング、始めどきは? 意外な力も育つ
(4) 幼児期からピアノ、英語、公文をすると何が伸びる?
(5) 親はどこまで頑張れる?「負担重すぎ」習い事 ←今回はココ
(6) 『ビリギャル』の坪田先生 習い事「やめ時」は?

「まるで親の活動」遠征送迎にお当番、ミニバスを1カ月で退部

 「平日夜と週末の練習、遠征や合宿などすべてが親のボランティアで成り立っていて、子どもではなく親の活動のようでした。正直に言えば、私が耐えられなかったんです」

 こう言ってため息をつくのは、神奈川県内の女性(44歳)です。夫は開業医で、自分も医院の人事や労務、経理などを担当しています。彼女の長男は小学2年生のとき、地元のミニバスケットボールクラブ(ミニバス)に入りたいと言い出しました。女性自身、小学校時代にミニバスに所属していたこともあり、当初は喜んで始めさせました。

 しかし土日はほぼすべて練習で潰れ、買い物や家族の外出、旅行などもままならない状態。平日も週2回、午後7時から9時すぎまで練習があり、夜遅くまで運動させることも疑問だったと言います。

 専属コーチはいましたが、練習を見るのは主に選手の父親たちでした。子ども時代、かなり本気でバスケに取り組んでいた女性の目には、教えるプロではない父親たちの練習内容も中途半端に映り、物足りなさを感じました。

 母親たちは、遠征や合宿のたびに車を出して子どもたちを送迎するほか、一日中練習に付き合って水分補給などの世話をする「お当番」も回ってきます。女性は当時、小4だった長女も週4回、塾へ送り迎えしており、肉体的な負担も強まりました。元から在籍している親たちの輪にも入りづらく、1カ月でギブアップ。長男自身も退部に強く抵抗はしなかったといいます。

 「中心となって練習に関わる保護者に謝礼を渡し、お手伝いを免除してもらうという選択肢もあっていいのではないでしょうか。でも、そんな意見を言うことも難しい雰囲気でした」。女性は振り返りました。

 アンケートでも、働きながら子どもに習い事をさせることの苦労や不安の声が寄せられています。共働き家庭が子どもの習い事を検討する際に、チェックすべきポイントを次のページからまとめてみました。

<次のページからの内容>
● 共働き親がチェックしたい3つのポイント
● 負担重すぎの落とし穴に落ちないために
● 想定以上に費用がかかった習い事は?
● 短期もあり? 長期の習い事以外にも目を向けよう
● バレエやサッカー、負担減らしたいならこんな選択肢も
共働きっ子の親は、習い事のためにどの程度まで「頑張れば」いい?(写真はイメージです)
共働きっ子の親は、習い事のためにどの程度まで「頑張れば」いい?(写真はイメージです)