子どもが習い事を「やめたい」と言ったら、どうしますか? 「ここまで続けてきたのに……」「将来絶対役に立つと思うのにもったいない」――。親はそんな思いにとらわれがちです。さらに共働きの場合、放課後の居場所などを新たに確保する必要にも迫られ、つい「もう少し頑張ってみたら?」と言ってしまうことも。

 反対に、親はそろそろ潮時だと思っているのに、子どもに「やめたくない」と言われた場合も悩みどころです。「中学受験のため習い事の整理が必要な状況。でもどれもやめたくないということで絞りきれない…。皆さん、どうされているのでしょう?」(女性、子ども:小2、小4)。習い事調査にはこんな質問も寄せられました。

 これまで1300人以上の子どもを指導し『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(略称・ビリギャル)の著者である坪田信貴さんに、習い事の「やめ時」について聞きました。

 また、「習い事をあえてさせない」選択肢についても、4P目から紹介します。

【共働きっ子 人気習い事大調査特集】
(1) 子どもの習い事 共働き親の満足と後悔を知りたい
(2) アンケ結果大公開 やってよかった、無駄だった習い事
(3) 習い事で育つ力 人気のスイミング、バレエとサッカー
(4) 幼児期からピアノ、英語、公文をすると何が伸びる?
(5) 親はどこまで頑張れる?「負担重すぎ」習い事
(6) 『ビリギャル』の坪田先生 習い事「やめ時」は?←今回はココ

「やめたい」はやめ時、習い事の目的によって対処は変わる

―― 子どもに習い事を「やめたい」と言われても、親はなかなか決断できません。

坪田信貴さん(以下、敬称略) 基本的には子どもが「やめたい」と言ったら、やめさせればいいと思います。

 ただ、何のためにその習い事をしているのかによって、対処の仕方は変わります。子どもに伸び伸びと楽しくやってほしいという思いで習わせている場合、子どもが楽しくないならやめさせて、もっと楽しめる習い事を見つけたほうがいい。心肺機能の向上を目的に水泳をさせていたなら、心肺機能が上がる別の習い事に移ってもいいでしょう。

 子どもがサッカーをやめたいと言い出しても、サッカーそのものを嫌いになったとは限りません。コーチが嫌なのか、友達とうまくいかないのか、基礎練習ばかりで退屈なのか、やめたい理由は様々です。こうした場合は、練習内容が高度なチームに移籍するなど、嫌な要素を取り除くことで、同じ競技を続けるという選択肢もあるわけです。

 「なぜやめたいか」を聞き、希望に沿った提案をすることも親の役割です。

―― 頻繁に習い事を変えると、飽きっぽい子になってしまいませんか。

<次のページからの内容>
●「やめたい」という子どもの気まぐれをどこまで本気にすべき?
●「習い事を続ける」のは「良いこと」と思ってしまう理由
●受験などで習い事を整理したいときは?
●習い事を始めるときに親と子ですべきこと
●「習い事をさせない」選択肢ってあるの?