二ノ宮さんは自宅でマンガを描いています。そのため子どもたちは小さい時から仕事場に出入りし、アシスタントさんに遊んでもらったり、絵を教えてもらったりして育ちました。そして二ノ宮さん自身も工場を経営する自営業の家庭で育ったので、思いがけず親子二代で「働く姿を子どもに見せられる職業」ということに。小5と小2の息子たちは、マンガ家の母をどのように見ているのでしょうか?

子どもたちの塗り絵は、絵の上手なアシスタントさんが手作り

 私は家で仕事をしているので、子どもたちは小さい頃から仕事場に入ってきていました。ダメと言っても、やっぱりどうしても来ちゃいますよね。本気で原稿にかかっているときは、パパにLINEで「こっちに来てる! すぐ連れて行って!」って助けを求めたりしていました。おとなしく宿題をやっていてくれるとかならいいんですが、私が大事にしているフィギュアとか、いろんなものをいじりますからね。逆に、一緒に遊ぼうって思うくらい私が集中できていないときは構わないんですけど(笑)。

 アシスタントさんが子どもたちの相手をしてくれることもあります。うちのアシさんたちはめちゃくちゃ絵がうまくて、私より絵を教えてくれているかも。「これを塗り絵にしてね」って線画を描いてくれたり、点を順番にたどっていくと絵が出来上がるようなものを作ってくれたり。今は子どもたちが学校に行っている時間が長くなったし、アシさんの泊まりもなくなったので、あまり顔を合わせなくなりましたが、一緒に遊んだり、いろんなことを教えてくれたりしたのはありがたかったです。

 子どもたちは当たり前のようにアシさんの上手な絵を見てきたものだから、それに対して「へえー」とも「すごい」とも言わないんですよ。私がマンガ家という仕事をしているのも、いつから気づいたんだろうっていうくらい、別に意識することはないですね。「のだめカンタービレのアニメのビデオがあるよ。見ようよ」って言っても、「え~、妖怪ウォッチのほうがいい」って、全然見てくれませんでした。リスペクトゼロです。

 ただ最近は、お友達のお母さんが私のマンガを読んでいると聞くこともあって、「ええっ、ママって知られてるの?」って驚くみたいです。人に言われて初めて尊敬度が上がるという……。でもあんまり知らなくていいと思っているんですけどね。見られたくない作品もいくつかあるし(『平成よっぱらい研究所』とか……)。

新学期を前に次男ヒロくんの前髪をママが張り切ってカットしたところ、だいぶ短めの仕上がりに……。本人は「永遠の5歳児です!」という芸にしているとか。ポジティブ!
新学期を前に次男ヒロくんの前髪をママが張り切ってカットしたところ、だいぶ短めの仕上がりに……。本人は「永遠の5歳児です!」という芸にしているとか。ポジティブ!