子どもたちが一番好きなのはどうやら私の子育てマンガ『おにぎり通信』のようです。自分たちのことが描かれているのを読んで楽しんでいる。それで、過去にやったいたずらをまたやろうとするから「やめなさい!」って怒るんですけどね。兄のコウも弟のヒロも、過去の悪い自分に憧れているんです。「もうネタになると思うな!」って叱り飛ばしています。

「親の仕事がよく分からない」という友人に衝撃

 親が働いている姿を見せられてよかったことは……どうでしょうね。ただ、私の実家も自営業で、親が経営する工場が自宅のすぐ近くにあって、子どもの時はよく遊びに行きました。入っちゃダメということもなくて、作っているものを見せてもらったり、鉄くずで遊んだり。だから、親が何をしているか分かったのはちょっと安心できた点だと思います。

 埼玉の実家を出て東京の高校に通うようになってから、友達に「お父さんって何してるの?」って聞いても「よく分からない」って言われることがあったんですよね。銀行に勤めているらしいけど具体的に何をしているかは知らないとか、いつも帰りが遅いからあまり顔を合わせていないとか。でもうちは、父は5時には仕事を終えて必ず家族みんなでご飯を食べていたし、会社と家が近いので、お昼にもいったん帰ってくる。そんな生活が当たり前だったので、「親が何をやっているか分からない」っていうのが単純に衝撃でした。

 図らずも親子二代で働く姿を子どもに見せられる仕事になったわけですが、子どもたちはマンガの制作現場をただ普通に見ているだけで、特に何とも思っていないみたいです。たまに絵を描きたいとは言ってきますが、私の仕事を手伝いたいとは言ってこない。たぶん興味がないんでしょうね。

二ノ宮家には2匹の猫がいて、こちらは後輩猫のロク。8年前にやって来た時に「コウの猫だよ」という設定にして以来、動物好きのコウくんとはずっと相思相愛の仲だそう
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