12月1~3日に東京ミッドタウンで行われた、働く女性を応援するイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」。ひときわ熱い空気に包まれたのが、閣僚として、また一人の母親として多忙を極める野田聖子大臣のトークショーです。リポート第2回では郵政民営化にまつわるエピソードや、野田さんがいかに「失敗」を乗り越え、新たな道に踏み出してきたかをご紹介します。

 (1)野田聖子 新人時代から妄想した「もし私が総理なら」

 (3)野田聖子 多様な女性がのびのびと生きられる社会に

バリキャリではない。しくじった回数は人より多い

榎戸教子さん(日経CNBCキャスター、以下、――) 女性は男性に比べて、結婚や出産、子育てなど、ライフイベントに左右されがちだと思います。そんな女性たちへ、何かアドバイスはありますでしょうか。

野田聖子大臣(以下、野田) まず、私は皆さんの反面教師だと思っています。30代、40代の女盛りを棒に振って、もしかしたら恋を楽しみ子どもを授かり、体力があるうちにいろんなところに出かけたりすることもできた時期に、愚かな私は仕事優先に徹してしまいました。その結果、子どもに出会うのがすごく遅かった。

 私の足跡を振り返ってみると、国会議員の中ではしくじった回数が人より多いです。小泉(純一郎)元総理とケンカしたり、安倍(晋三)さんとケンカしたり。その都度、干されたり飛ばされたりいろんな目に遭っていますが、結果としてまたこういう大臣の仕事をいただけたということを考えると、テンパらなくていいんじゃないかなと思うんです。

 女性は真面目だから失敗することを恐れて、結果としてストレスになったり、守りに入ったりすることがあると思います。私だって結果としてそうなっただけで、失敗したくなかった。でも、やるだけやったんだという自分への信頼感を持っていれば、また次の道はおのずと開けてきます

 99人にダメ出しされても、1人、心から自分に添ってくれる人がいれば、その人が必ず次の道を作ってくれる。そんなことがあって今の私があります。私はバリキャリではないし、(テレビ番組の)「しくじり先生」に出たほうがいいかもしれないくらい、上手に歩いてこられなかったと思います。でも、失敗したことが結果として強みになっています。「失敗ってこういうことなんだな」っていう経験をすると免疫ができるから、それを恐れて寸止めにならなくなっている。そういう意味では精神的に解き放たれています。失敗しても大丈夫ですよ。生きていればこそ、です。

 具体的な例を話したほうが分かりやすいですよね。私は37歳で郵政大臣になった後、順風満帆なはずが転落をします。当時絶大なる人気を誇った小泉総理と、郵便局は国営か民営か、ということで対立しました。あのときは、小泉さんの言うことがすべて正しいという空気で、私が反対すると、おばちゃまたちから「私の純さまをいじめないで」とか抗議のファクスなんかがたくさん届くわけです。

 結果としての代償は、所属していた自民党を追い出されました。そこで何が起きるかというと、まず国会の中で仕事ができなくなります。やりたい委員会にも入れなくなるし、もっとシビアなことを言うと、お金が入らなくなるんです。