若い人たちの可能性を認めてあげたい

―― 初めて大臣になられた20年前のご自分にアドバイスできることがあるとしたら、どんなことでしょうか。

野田 当時私は37歳で当選2回。前の晩はまさか大臣になるなんて思っていないから、仲間の議員たちとスナックでカラオケ三昧していました。午前2時ぐらいに帰宅してそのまま泥のように眠りこけて、その日の朝に大臣になっちゃうわけです。

 一緒に仕事をする大臣閣下殿はおじさんばかりで、女性は私一人。役所に行けば、局長級の人たちもみんなおじさんたちで、どういう会話が成り立つのかなという不安はありました。

 37歳の独身の女性が偉そうなことを言ったって、この人たちがついてくるわけがない。私がやれることは笑顔だろうなと。こういうちっちゃい大臣だけど、みんなが一緒に仕事をやっていて楽しいなって思えるような環境整備に努めようと決めました。おかげ様で優しい人たちに恵まれて、頑張れたと思います。

 今の私から当時の私にアドバイスするならば、もっと若い人たちの可能性を認めてあげてということです。大臣のところには大体局長が来て、その後を若い部下が何人かついてくるんですが、皆さん黙っているわけです。やっぱり局長を越えて発言しちゃいけないというようなルールがあるから。でもそれは違うと思うんです。

 お笑い芸人でもない私が笑いを取ったりして一生懸命場の雰囲気を和ませて、若い人たちがリラックスして自分の考えを一言でも言えるような環境を作ってあげればよかったなと思います。今は余裕があるのでそういうこともできますけれどね。

 ――次回へ続きます!

(文/谷口絵美 写真/花井智子)