日経DUALの創刊から4年。これまでウェブでよく読まれた人気記事や注目連載陣によるコラムを全120ページにたっぷりと詰め込んだリアルマガジン『日経DUAL Special!』が登場しました! 子どもの教育、英語、学力、受験、お金、家事代行、保育園、学童、しつけ……など、子育て中のママ・パパが気になるテーマについて、それぞれの分野の専門家や企業に取材した骨太な記事ばかりです。
 DUAL編集長の羽生、『日経DUAL Special!』をまとめた編集・片野が、各特集の担当記者と一緒に特集の見どころを振り返るシリーズ第5回は「ダブルインカム 最強の貯め方・使い方」特集。「人生のどの辺りで何に気を付けなければいけないか」「何歳ごろ何に気を付けておけば、子どもの教育費や自分たちの老後の生活費に困ることがなくなるか」など、タイプ別のマネー戦略を紹介する特集です。

■第1回の記事
“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由
■第2回の記事
ワンオペ育児から抜け出したい…諦めない・交渉する
■第3回の記事
子どもの英語教育どうする?スクール選び、親の関わり
■第4回の記事
家事代行サービスの利用増加中 ランキングと使用感

日経DUALがついに雑誌に!
創刊以来、反響が大きかった記事を
ぎゅっと一冊に収録したリアルマガジンを発売!
『日経DUAL Special!』 (税込810円)

● 意欲を伸ばす “教えない”早期教育
● 家事代行サービス 2017ランキング発表
● 学力アップのリビング&子ども部屋
● 子どもの英語学習 スタート!
● ダブルインカム 最強の貯め方・使い方
● 小島慶子さん、中田敦彦さん、眞鍋かをりさん、魔裟斗さん&矢沢心さんの連載

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現役時代の月々の生活費次第で、退職後の風景が変わる

羽生(以下、羽) 共働き家庭が陥りやすいのは「私たちダブルインカムだから、子育てが終わった老後は悠々自適な生活を送れるはず」と何となく思っているという勘違い。この特集は「そうではない!」と現実を突き付けてくれます。

片野(以下、片) 取材した2人のファイナンシャル・プランナー(FP)さんと一緒に、DUAL読者に多い世帯を6つのタイプに整理したんですよね。その6つのタイプとは「典型共働きタイプ」「高収入タイプ」「高齢出産タイプ」「夫・独立タイプ」「退職妻パートタイプ」「実家力不足タイプ」。わが家は……と自分に当てはめて読むといいですね。小田記者はFPさんが作成したライフプランシートを見たとき、驚きはありましたか?

小田(以下、小) はい! ライフプランシートって、グラフ化することで老後のマネー事情までトータルで一目瞭然なのですが、例えば、世帯年収が1100万円(世帯の手取り収入880万円)の「高収入世帯」でも、生活費を月40万円と使い過ぎると老後の貯蓄は80歳で底を突くことを知って驚きました。

 世帯年収が1100万円とはいえ、油断ならないですね。

 でも一方で、月々の生活費を40万円から35万円へと5万円抑えるだけで、85歳のときの貯蓄が1800万円残るという計算になることも分かったんです。それで言うと、6つのどのタイプの世帯でも月々の生活費を5万円減らせば、老後の資金的な不安を解消するという試算が出ました。 ※試算では年金額は夫婦で月32万円(夫17万円+妻15万円)として計算。

 5万円減らすというのは「週末の外食を減らす」「洋服を1枚我慢する」といった小さなことの積み重ねですよね。

 そう! “チリツモ”は本当だったんだと実感しました。

 老後資金について、「高収入タイプ」「高齢出産タイプ」「夫・独立タイプ」でシミュレーションをしてみましょう。どのタイプも老後の貯蓄額が底すれすれになるか、マイナスになるかし、若いうちからの対策が必要になります。

 例えば、高収入タイプ。「現役時代に収入があるからといって生活のレベルを上げている人は要注意。老後に年金生活が始まったとき、収入が急激にダウンし、あっという間に貯蓄が底を突きます。生活レベルを維持するためには、引退後は貯蓄を取り崩さざるを得ないでしょう。若いころの年収が他人の2倍でも、年金収入は2倍にはなりません。働いている間から、生活費を上げ過ぎないように気を付けてください」

 高齢出産タイプも、教育費がかかる時期が遅れて、老後費用が貯まらなかったり、夫・独立タイプは夫の退職金が少額であるため、自分年金が必要だったりと注意が必要です。

(『日経DUAL Special!』P50)

  ◆◆◆

 授業料や一般的な校外活動の費用は、小学校6年間で約183万円、中学校3年間で約135万円、高校3年間で約116万円、大学(私立文系の場合)4年間で約484万円、合計で1人当たり約920万円がかかります。世間でよく「子ども1人当たり1000万円かかる」といわれますが、このような数字を基に計算されているのです。

 しかし、中学から私立と想定すると、中学校3年間は約390万円、高校3年間は約290万円となり、1人当たり約1350万円が必要です。つまり、中学から私立に行くと、高校まで公立に比べて約430万円多く必要になるのです。

 これらの数字はあくまでも全国平均を取ったものですので、地域によっても差があります。また、中学から私立に行くなら、塾代でさらに200万円はかかると思っておいたほうがよいでしょう。

(『日経DUAL Special!』P51)

DUAL家庭で生活費を月5万円減らすと、老後の資金的な不安がやわらぐという
DUAL家庭で生活費を月5万円減らすと、老後の資金的な不安がやわらぐという

銀行貯金以外の方法でお金と付き合うようになった

 老後資金、教育費はDUAL家庭にとって大きな心配事ですよね。特集ではその他にも旅行や洋服を含むレジャー費、親の介護費にもスポットを当てています。私もそうでしたが、「何となく不安」という方は具体的なマネー戦略が見えてきてちょっと安心できると思います。

 私も世帯の収入を、短期ではなく長期で捉えることの大切さを学びました。私事ですが、昨年に第三子の出産、今年は長女の中学受験を経験しました。思いがけず自分が「高齢出産タイプ」に該当することになり、また、中学受験の勉強にこれだけお金がかかるということを身をもって体験したんです。2月には第二子が新4年生で入塾し、さらにはまだ小さい1歳児の将来のこともあるので、まさにチリツモで教育費を貯めていこうと肝に銘じました。

 投信も始めたんですよね。

 私、この特集を担当するまでは投資については全くの未経験だったんですよ。でも、担当した直後からは、特集内で紹介したDUAL世代にオススメのお金の増やし方の「資産運用」に挑戦しており、2種類の投資信託で積み立て投資を始めました。必要に応じて解約したり、積み立て額を増やしたりしています。

 特集のために勉強したお金の知識を実行に移したのですね。

 はい。特集内でFPさんが推薦していた百貨店の友の会の積み立ても、中学受験準備資金が膨らんだときには一時止めていましたが、受験後に再開しています。銀行貯金以外の方法で、より主体的にお金と付き合うようになったと思います。

 典型的な共働き世帯がお金を増やせる3つの方法

 (1)収入を増やす
「働く期間を長くする」「転職で収入アップを狙う」「資格取得で資格手当をもらう」「プチ起業する」など直接年収アップを狙う方法の他、「節税して手取りを増やす」という考え方もあります。

 (2)節約する
毎日努力することが必要な“変動費の節約”より、一度取り組めば効果がずっと続く“固定費の見直し”を。保険の見直しや住宅ローンの借り換え、通信費の見直しは即効性と持続性があります。

 (3)資産運用する
積み立て投資はリスク分散の最高の方法です。投信積み立てや確定拠出年金個人型などの仕組みを使えば、忙しいDUAL世代でも手軽に少額から資産運用を始められます。

(『日経DUAL Special!』P54)

 特集で推奨されていた「教育費は子ども一人分ずつ、きちんと分ける」にも影響を受けました。子ども3人分の銀行口座をそれぞれ用意しましたよ。

 子どもが3人いると、口座も3つ作るんですね!

 ただ、支給される児童手当を全額貯金することがまだ実践できていません。これは近日中に始めたいと思います。児童手当が夫の口座に振り込まれるので、夫にも意識してもらう必要があり、家族のマネー事情を安定させるためには、夫婦のコミュニケーションは必要不可欠だな、と実感しています

 児童手当が実質上、夫のお小遣いになっている……というケースも聞きますしね。ぜひご夫婦で特集をお読みいただき、お金について話し合うきっかけになればいいなと思います。

日経DUALがついに雑誌に!
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● 家事代行サービス 2017ランキング発表
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● 小島慶子さん、中田敦彦さん、眞鍋かをりさん、魔裟斗さん&矢沢心さんの連載

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(イメージカット/鈴木愛子)