認可保育所整備の課題はやはり「保育士の確保」

 認可保育所を整備するに当たっての課題についても聞きました。

 昨年も同じ設問をしたのですが、やはり最大のネックになっているのは変わらず、「保育士の確保」で79.4%でした。続いて、「用地・物件の確保」が59.6%、「将来の需要予測の把握が難しい」50.0%、「保育所周辺住民の理解」49.3%という結果になりました。傾向としては昨年と変わりませんが、将来の需要予測については、保育無償化の影響もあってより不透明になっている現状がうかがえました。回答コメントも「無償化による保育需要掘り起こしで、保育士の確保がさらに困難となる」といった内容が多く見られました。

 都市部を中心に急速な保育園の整備が進む中、気になるのが“保育の質”の低下です。そうした状況を招かないための指導や対策を行っているのかを聞きました。

 最も多かった回答は「研修の定期的な実施」で71.3%、「巡回指導を行っている」が69.9%などでした。「抜き打ちの見回りをしている」も26.5%で、いずれも昨年の回答よりも数字が向上しており、保育の質を担保するための取り組みが各自治体でも意識的に進められているようです。

 毎年、「保育園に関する整備状況」に次ぎ、「子育て世帯への補助・サービス」と並んで重視している放課後児童クラブ(学童保育)についても、例年同様に質問しました。「親の就労状況など条件を満たした場合、小学3年生までの希望者全員が学童保育に入ることが可能か」という設問について、「はい」と回答した自治体は47.1%、「いいえ」は50.0%でした

 昨年より数字は改善しているものの(昨年は「はい」が43.2%)、待機児童数が200人を超える自治体も複数あり、学童保育も待機児童ゼロにはまだ遠いようです。

 学童保育の定員については今後「増やす予定がある」と回答した自治体が77.9%に上り、今後の取り組みを注視し続けたいところです。