今まで以上に様々な変化に柔軟に対応できる力が必要に

 ところでなぜ、これからの世の中で、共感性が重要になってくるのでしょう。

 共感性は今、世界的に注目される「非認知能力」の一つです。非認知能力は、「やり抜く力、我慢する力、共感する力」のことを言い、学歴や仕事など将来の成功の支えとなると考えられています。

 皆さんが働き始めてからだけでも、大きな社会的変化があったのではないかと思います。携帯電話一つとっても、形もできることも全く変わってきている。特に人生100年時代ともいわれる昨今、IT技術の変革、AI(人工知能)の進化によって、職業の選択が大きく変わってきていますし、あらゆる場面でこれまで以上に、様々な変化に柔軟に対応できる力が求められるようになっています。

 その能力をどう育めばいいのかというと、勉強、仕事、人生において、世の中のことに興味を持って、自ら学び続けること。そして学び続けるためには、学ぶことが楽しくなければなりませんし、やり抜く力、我慢する力、そして共感する力はとても大切になってきます。

 次回からは「変化に対応できる能力」を育てるための「学び続ける力」を育む方法、「知的好奇心」を高めるための様々な方法を、数々のMRI画像データの解析を続けてきた脳医学者として、そして一児の父としての視点で見ていきたいと思います。

(構成/日経DUAL編集部 山田真弓 イメージ写真/鈴木愛子)