きちんと人間教育をすれば、成績は勝手に上がる

 宇治原さんも、「ちゃんとした人間になる」ように子どもを育てることが何よりも大切と考える一人です。「親から『成績を上げなさい』と言われたことはありませんが、『ちゃんとした人間になる』ことは求められ続けてきたように感じています」(宇治原さん)。

 「ちゃんとした人間になるように育てたら、子どもは自然と勉強もできるようになる」、というのが宇治原さんの考え方。「僕自身、人の話は目を見て聞きなさい、学校の先生のことをきちんと敬いなさい、と親から厳しくしつけられ、その言葉に従って行動しているだけで自然と中学校で一番の成績を取る学力が身に付いたので、そのことを身をもって実証しています」。

 親も、「子どもをきちんとした人間に育て上げる」ことを第一に心がければ、偏差値を上げさせることに躍起になったり、学校の勉強を軽視して塾を優先させたりするといった「偏った子育て」にははまらずに済みそうです。

 ちなみに宇治原さんには今年、第一子が誕生しました。自身の子育てにおいても、「両親からしてもらって本当にありがたかった」という「しつけ」を大事にしたいと考えているそうです。「僕も、自分の父親と似た考え方なのかもしれませんが、成績はどうでもいい。人としてちゃんと生きていけるように育てていきたいですね」(宇治原さん)

(取材・文/西山美紀、写真/鈴木愛子)

菅広文さん(左、すが・ひろふみ)、宇治原史規さん(右、うじはらふみのり)

菅広文さん(左、すが・ひろふみ)、宇治原史規さん(右、うじはら・ふみのり)。

共に1976年生まれ。有数の進学校である大阪教育大学附属高校天王寺校舎のバスケットボール部で同級生として知り合う。高校在学中に、菅さんが「一緒に芸人になろう」と宇治原さんを誘い、大学在学中の96年8月にロザンを結成。宇治原さんは京都大学法学部を卒業。菅さんは大阪府立大学経済学部中退と、「高学歴お笑いコンビ」として人気を博す。コンビとしてテレビ、ラジオ、ライブ、CM等、幅広く活躍するほか、菅さんは書籍の執筆にも力を入れており、『身の丈にあった勉強法』(幻冬舎)、『京大少年』(講談社)、『京大芸人』『京大芸人式日本史』(共に幻冬舎)、『菅ちゃん英語で道案内しよッ!』(ぴあ)など著書多数。宇治原さんは単独でクイズ番組に出演することも多い。宇治原さんが経理や出張の際の各種手配といった事務作業全般を担い、ネタを考えるといった「ゼロからイチを生み出す仕事」は主に菅さんが担当するなど分担が明確で、互いを認め、尊重し合う「仲良しコンビ」としても業界内で有名。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。