きちんと人間教育をすれば、成績は勝手に上がる
宇治原さんも、「ちゃんとした人間になる」ように子どもを育てることが何よりも大切と考える一人です。「親から『成績を上げなさい』と言われたことはありませんが、『ちゃんとした人間になる』ことは求められ続けてきたように感じています」(宇治原さん)。
「ちゃんとした人間になるように育てたら、子どもは自然と勉強もできるようになる」、というのが宇治原さんの考え方。「僕自身、人の話は目を見て聞きなさい、学校の先生のことをきちんと敬いなさい、と親から厳しくしつけられ、その言葉に従って行動しているだけで自然と中学校で一番の成績を取る学力が身に付いたので、そのことを身をもって実証しています」。
親も、「子どもをきちんとした人間に育て上げる」ことを第一に心がければ、偏差値を上げさせることに躍起になったり、学校の勉強を軽視して塾を優先させたりするといった「偏った子育て」にははまらずに済みそうです。
ちなみに宇治原さんには今年、第一子が誕生しました。自身の子育てにおいても、「両親からしてもらって本当にありがたかった」という「しつけ」を大事にしたいと考えているそうです。「僕も、自分の父親と似た考え方なのかもしれませんが、成績はどうでもいい。人としてちゃんと生きていけるように育てていきたいですね」(宇治原さん)
(取材・文/西山美紀、写真/鈴木愛子)
菅広文さん(左、すが・ひろふみ)、宇治原史規さん(右、うじはら・ふみのり)。