親が朗らかでいることが何よりも大切な理由

 「僕も菅さんのお母さんをよう知ってますが、そもそも菅さんのお母さん、めっちゃ明るいんです」。こう明かしてくれたのは相方の宇治原さん。

 「やったらあかんことしたら怒るのでしょうけど、子どもができないことがあっても笑っている感じの人。『なんでうちの子はできへんの…』なんて、全然思わないタイプですね。以前、僕たちのライブに菅さんのお母さんが来て、過去のVTRを流していたときに、たまたま菅さんが失敗したシーンが出たんです。普通の母親だったら『うちの子、みっともない…』なんて恥ずかしがるかもしれない場面で、会場で一番爆笑していたのは菅さんのお母さんでした。『めっちゃおもろいやん、うちの子』って」(宇治原さん)

 朗らかな母親の元で、誰とも比較されずに伸び伸びと育ってきたことで、菅さんは「自分よりも優秀な人のことを妬んだり、羨んだりすることが全くない性格になった」と自身を分析します。

 そんな菅さんだから、勉強が抜群にできて、学校内でも一目置かれていた「高校入学組」の宇治原さんのことも素直に尊敬し、京大入学を目指して勉強していた宇治原さんを全力で応援、その後、四半世紀続く固い友情を育むことができました。今も、単独でクイズ番組に出演する宇治原さんを、菅さんはテレビで見ながら全力で応援しているそうです。

 「誰かのことを妬んだり、悪く言ったりする人は成長しないと思うんです。お笑いの世界もそう。相方を悪く言うコンビはうまくいきません。うまくいかないことがあったときに、誰かのせいにするのでなく、自分に改善できる点はないかなと考えられれば、おのずと人は成長します。まあ、僕らのコンビは収入を折半する制度をとっているので、宇治原さんがクイズ番組で優勝したらその賞金の半分は僕のものになる。宇治原さんを全力で応援するのは、そういう事情もあるんですけどね」と菅さんは笑います。

 きょうだいや他の子と比べず、自分の子のありのままを受け入れる。いつも朗らかで、笑って過ごす――。こんな親のスタンスが子どもを自由にし、素直で真っすぐな心を育て、良好な人間関係を構築する土台を培います。そうした「人間力」は、子どもが将来、仕事で成功するためにも絶対不可欠なもの。仕事は一人でやるものでなく、自分よりも優秀な人をいかに巻き込めるかで、結果が大きく変わってくるからです。

 単に勉強ができるだけでなく、本当の意味で「頭のいい子」を育てるために、ぜひ心がけたいポイントといえそうです。