「頭のいい子」が育つ家庭は、何が違うのか。子どもの学力や能力、才能を存分に開花させるために、親が家庭でやるべきこと、心がけるべきことは何かを探る期待の新連載。第一弾は、高学歴芸人として知られる人気お笑いコンビ、ロザンのお二人にインタビュー。上編「高学歴芸人ロザン 京大の学力は親のしつけの賜物」では、有数の名門進学校の一つである大阪教育大学附属高校天王寺校舎で同級生として知り合い、その後京都大学を卒業した宇治原史規(うじはら・ふみのり)さんと大阪府立大学に進学した菅広文(すが・ひろふみ)さんに、幼少期の思い出や、育った家庭の基本スタンス、親が自分にしてくれたこと、親に感謝していることなどについて語っていただきました。下編では、菅さんの話を中心にご紹介します。

優秀な姉と一切比べられず、伸び伸び育てられた

「優秀な姉と一切比べられなかったので、プレッシャーを感じず、伸び伸び育つことができました」と振り返る菅さん
「優秀な姉と一切比べられなかったので、プレッシャーを感じず、伸び伸び育つことができました」と振り返る菅さん

 2人以上の子どもを育てている親は、子ども間の学力が異なる場合、つい、より勉強ができる子のことを引き合いに出して、それ以外の子どもにプレッシャーをかけてしまうケースが多いかもしれません。しかし、ロザンの菅さんは、「自分よりもはるかに頭が良かった」という3歳上の姉と一切比べられずに育ったそう。その結果、「自分より優秀な人を羨むことなく、素直に応援できるようになった」と言います。

 「親は、姉が習ったエレクトーンや英会話を全部、僕にも習わせてくれましたが、僕には何も身に付かなかった。エレクトーンの発表会なのに、僕だけトライアングルをやっていたほどです。でも、親から『お姉ちゃんはこんなにできるのに、あんたは』なんて言われたことは、一切なかったですね。母親は僕に対して、『普通でいい』と思ってくれていたようです。例えば、すごくいい大学に行ってほしいとか、すごい人になってほしいというようなプレッシャーを感じることが全くありませんでした」(菅さん)

 菅さんの著書『身の丈にあった勉強法』(幻冬舎)にも登場するエピソードですが、菅さんのお姉さんがエレクトーンのコンクールに出場したとき、幼稚園児の菅さんは、舞台の上にいるお姉さんの元に駆け寄って全力で踊りまくり、会場を爆笑の嵐で包み込んでしまったそう。普通の親だったら、「なんて恥ずかしいことをして」「お姉ちゃんの大事なコンクールなのに」と叱り飛ばすであろう場面で、何と母親は大爆笑をしていたのだそうです。

 「そうやってよくできる姉と全く比較されず、プレッシャーをかけられなかったおかげで、僕は姉のことを全力で応援するようになりました」と菅さんは振り返ります。