自分に余裕がないと人を幸せにできない…夫に言えない思い

 家でイライラしている自分に気づいたときに、「自分に余裕がないと人を幸せにはできない」とハッとしました。お客様の気持ちに寄り添って、幸せのお手伝いをするはずが、できていない…。でもこの仕事は大好きだし、続けたい…。

 それからは悩む日々が続きました。ただ、夫も真剣に仕事に臨んでいることは知っていましたし、仕事のスタイルを変えてほしいと言えなかった。夫は全国転勤の可能性もある営業職なのですが、転勤しなくていいように頑張って人間関係を築き、仕事でも成果を上げている人。強制されているわけではありませんが、早朝出勤、接待含めての深夜帰宅。一度だけ、働き方の話から転職の話になったことがありますが、「転職して違う場所で再スタートを切って収入が下がるくらいなら、家族のためにも今の会社でやっていきたい」と言われました。良くも悪くも本当にまじめなのだと思います。

 しかも、夫の会社の同僚たちは、妻が専業主婦の家庭が多い。なんだか私は「働かせてもらっている」という気持ちにさせられてしまうんですね。

 結果的に、平日は完全ワンオペ状態で乗り切らなければならない。しかも長男はぜん息がひどく、保育園からの呼び出しも長女一人のときより圧倒的に増えました。実家が全く頼れないわけではありませんが、基本的に、自分の家庭のことは自分で回さなければと思ってしまうほうですし、親の生活を変えてもらってまで自分のしたいことをするのは違うのではないかと思うんです。何より具合が悪い子どもは祖父母ではだめだったり、親じゃなければ気付けないこともあったりしますよね。

 でもそんな日々を繰り返すと、「なんで、私だけ…」という気持ちが募っていく。ブライダルで担当を持っているのに、担当している方を誰かに託して休まなければならないストレス。子どもがつらい思いをしているから一刻も早くお迎えに行かなければならないストレス。自分の時間も全く取れず、考える時間さえないストレス。

 いろんなストレスが積み重なる中、次の道を模索するようになりました。

迷走した転職先探しから、次に進むための資格取得へ

 実は子どもが生まれてからは、朝4時、5時に起きていました。無理してでも自分の時間を確保したかった。

 そうやって自分の時間を作って色々してみても、やっぱり働き続けたいという気持ちは変わりませんでした。そのうち「保育園を辞めるわけにはいかないから、働かない期間があってはいけない」という本末転倒な気持ちにもなりましたが。

 次を考えるうえで、経験を生かすなら接客業ですが、同業界だとこれまでと生活スタイルが変わりません。でも、ブライダルのスタイリストしか経験していないので、他の選択肢が浮かびませんでした

 そこでまず、学生時代から続けていたヨガの、インストラクターの資格を取得。ただ、インストラクターにはなりませんでした。教えることにさほど興味を持てなかったんです。それに平日仕事、土日を休むのであれば、やはり事務職が確実。そこで次に、簿記の資格を取りました

 ブライダルの仕事を離れて、家から自転車で通える税理士事務所で1年間、パートタイムとして働きながら勉強しましたが、ちょうど長女の小学校入学と重なっていたので、子どものサポートができたのは結果的によかったと思います。