【豊島区】

 2014年、民間有識者が公表した「消滅可能性都市」に東京23区で唯一挙げられた。そこで女性や子育て世帯が住みやすい街づくりを最重要課題に掲げ、待機児童対策に力を入れてきた。2017年4月には待機児童ゼロを達成。今後も預けたい人が増加することを見込み、2018年4月、2019年4月、2020年4月もさらに600人ずつ、枠を増やしていく計画。「認可保育所への入りやすさ」「今後の定員増への計画」がいずれも高得点だった。

 また、認可外園に通う家庭(0歳児一人の場合、世帯年収700万円を想定し質問)へも最大4万1000円を助成するなど、認可園に入れなかった家庭への補助の手厚さも評価された。

 学童保育は今年4月、児童館から全小学校内への移行が完了。親の就労など条件を満たした小3までの児童は全員入ることができることや、19時まで運営していることも評価された。

【港区】

 港区は東京23区内では認可保育園に入りやすい自治体だったが、入所希望者が増え、待機児童が増加。同区が発表した2017年4月の待機児童は164人と、1年前より100人増えた。ただ保育定員は増やしており、2018年4月には前年比577人増の計画。13年春の定員を75%上回る水準だ。認可外園も充実しており、未就学児の数と比較しての認可外定員数は最高評価だった。東京都認証保育所のほか、区独自で認定する「港区保育室」がある。病児保育の人数(保育所定員と比較)も多い。

 特筆すべきは2015年度から実施した第2子以降の保育料無料化。「経済的な理由で2人目をちゅうちょする」との声に応えた。出生率は1.45と東京23区トップで全国平均(1.44)も上回る。病児保育は施設型が3カ所あるが、2017年12月~18年4月に2カ所新設して5カ所にする。このほかに病児・病後児保育を目的にしたベビーシッターを利用した場合、その費用の一部を助成する制度もある。

 保育所整備の最も大きな課題は物件が少ないこと。私立認可保育所の施設整備を促すため、賃借料補助をさらに上乗せする予定。

【渋谷区】

 0歳児の入りやすさは低評価。ただ、2018年春は前年比900人近い定員増を計画している。国家戦略特区を活用し、代々木公園内にも認定こども園を開園させた。認可外園の定員は多い。

 注目すべきは保育料の安さ。上限は7万400円(3歳未満児)と高めなものの、所得割課税額に応じた独自の軽減制度があり、モデル世帯(世帯年収700万円を想定)では3歳未満児で1万2400円と、おそらく日本で最も安価な水準。ただ保育料値上げは将来の課題と認識している(同区)、とのこと。

 渋谷区には病児保育施設がなく、病児・病後児保育を目的にしたベビーシッター利用に助成していた。施設が欲しいという声もあったことから、2017年10月に認定NPO法人フローレンスと連携して「病児保育室フローレンス初台」を開園した。定員は6名で、スタッフの人員に余裕がある日は発熱した子を保育所からタクシーでピックアップするお迎えサービスも実施する。

 子育て関連のサービスでは、保護者のリフレッシュを目的とした、生後3カ月~就学前の子どもの一時預かりがある。

【東大和市】

 保育園の入りやすさは高評価。同市は待機児童対策から障害児保育などに軸足を移している。2017年度に全国でも珍しい重症心身障害児向けの居宅訪問型保育を開始した。研修を受けた保育士を自宅に派遣し、保護者の仕事の間、障害児の保育や、吸引・吸入、投薬、経管栄養などの医療ケアを実施する。平日5日間、毎日対応し、保育料は通常の保育所に通う場合と同じ(別途、交通費などが必要)。保育所に通える障害児に対しても、市が受け入れ施設に保育士や看護師を増やす費用を助成する制度も整えた。

 そのほか、保育所で体調不良になった子どもを、保護者の代わりに病児・病後児保育室の保育士が迎えにいって預かるサービスもある。

 認可外園に通う家庭への助成は、市内だけでなく市外の東京都認証保育所なども対象。2万1000円を上限に、月額保育料の1/3を補助している。学童保育は待機児童がいるが、17時までは「ランドセル来館事業」として、児童館や学校の余剰教室で子どもを預かってくれる。(通常の学童保育は19時まで)

【福生市】

 福生市は保育園・学童保育ともに待機児童ゼロ。学童保育は就労などの条件を満たせば、小6まで全員入ることができる。「転入する人のアンケートをとると、『待機児童対策や子育て施策に力を入れているから』という人も少なくなく、認知度が高まってきたと感じている」(同市)。未就学児の人数は、調査対象162自治体のなかで一番少ないが、東京都の調査によると「保育サービスを利用している比率」は6割と26市の中でトップだ。

 保育料も安い。国の基準額の57%を市が公費負担しており、3歳未満は月額4万7000円が上限。認可保育園に入園した場合の保育料と認証保育所に支払った保育料及び入園料(全額)との差額を、上限なしで助成する。また市外の都認証保育所を利用している子どもも対象(認可園を4園以上申し込んで待機となった場合、などの条件あり)。

 病児・病後児保育も小学校6年生まで対応している。利用料金は1日1000円と都内では最も安い。1日の預かり人数も、2017年4月に、4人から6人に増やした。