お出掛けしたり、おうちで遊んだりと親子で楽しむ時間を子どもの学びにつなげるためには、親は子どもとどのように関わったらいいのでしょうか。今回は、台本から親子で作る、手作り「ペープサート劇」を家庭の定番行事として実践し、図工や音楽、文章力、表現力など、幅広い学びに役立てている8歳(小3)女子のママの工夫をリポートしてもらいました。

コロナ下でやむなく編み出した遊びだったけれども……

 2020年春。学校が休校になり、イベントが軒並みキャンセルされ、外でも遊べないというコロナ下で、娘(当時小2)のために何か遊びを企画しなくてはという危機感から考案したおうち遊びが「ペープサート劇」でした。

 ペープサートとは、紙に絵を描き、割り箸などで棒をつけた紙人形のこと。ペープサート劇自体は昔からあるアナログな遊びですが、デジタル技術の進化のおかげで、ビデオ通話アプリを使えば、オンラインで上演もできます。親子でオリジナルの台本と紙人形を作って短い劇にして、遠方に住む実家の祖父母らを「オンライン観客」として上演する試みをしたところ、思いのほか楽しく、観客にも好評で、帰省できなかった年末年始や、2021年GWにも継続して上演し、2021年秋には第4回公演をするまでになりました。

 人形作りや台本作成の過程は、図工、国語、音楽などの教科の要素にもつながり、文章力や表現力アップも期待できます。家にある身近な材料を使った手軽な遊びにもかかわらず、「演劇教育」のよさをおうちで実感できる点が大きなメリットだと感じています。

 肩肘張らず、ゆるいスパンで4回まで続けたことで、子どもの成長を実感できたという思わぬ副産物もありました。コロナ休校がなければ思い付かなかった企画でしたが、親子共に「やってよかった」と感じており、今後も続けていきたい定番行事として定着しています。小学生がいる家庭に非常におすすめしたい、この「おうち遊び」について、詳しくご紹介します。

◆次ページから読める内容
(1)期待の声を聞く工夫でやりがいがアップ
(2)親が先走って口を出し過ぎないほうがいい結果になる理由
(3)廃材を捨てずに取っておくと、新たなアイデアの源泉に
(4)小さくても、毎回「新しい試みをする」と決めておくことで、徐々にレベルアップ
(5)上演後に質問してもらったり、録画して見返したりすることが気づきを得る機会に
思いがけず、第4回公演まで続いたペープサート劇。続けたことで見えてきたこととは?
思いがけず、第4回公演まで続いたペープサート劇。続けたことで見えてきたこととは?