2020年4月30日発行

『なんとかする工作』著者の青木さんが3つのこつを伝授

 今回はゴールデンウイークスペシャル! 自宅で過ごす時間を有意義なものにするために、親子のコミュニケーションツールになる「手作りおもちゃ」を特集します。日々の子どもとの遊びに手作りおもちゃを取り入れている二人のママ・パパクリエーターに、手作りおもちゃを使ったコミュニケーションのこつや、簡単だけど子ども受け抜群の作例を聞きました。

 特集は上下編の2回に分けてお届け。下編となる今回は、「こんなことをして遊びたい」という子どもからの突然の発注に応え続けた記録をまとめた本『なんとかする工作』(玄光社)の著者で、プロダクトデザイナーの青木亮作さんに登場いただきます。

段ボール1枚で作れる「MOGURA TATAKI」。ハンマーとなるものがなければ他の道具や手で代用してもOK
段ボール1枚で作れる「MOGURA TATAKI」。ハンマーとなるものがなければ他の道具や手で代用してもOK

<目次>

【1】プロダクトデザイナー・青木亮作さんインタビュー

【2】青木さん考案! 簡単手作りおもちゃ5選

 ●すぐにできて盛り上がる、爆笑必至のもぐらたたき
 ●何種類でも気軽に作れる段ボールのピザ
 ●子どもが押したがる「ボタン」を作ってみよう
 ●自宅でキャンプ気分が味わえる簡単プラネタリウム
 ●美容師ごっこが楽しめる紙のカットモデル

【1】プロダクトデザイナー・青木亮作さんインタビュー

超大作より、手抜きしながら子どもが喜ぶものを

青木亮作さん。国内外のデザイン賞を多数受賞したクリエイティブユニットTENTのプロダクトデザイナーとして幅広く活躍している
青木亮作さん。国内外のデザイン賞を多数受賞したクリエイティブユニットTENTのプロダクトデザイナーとして幅広く活躍している

 今回お話を伺ったのは、クリエイティブユニット「TENT」のプロダクトデザイナー、青木亮作さん。現在7歳の長女と3歳の長男からの突然のリクエストに、コピー用紙や段ボールなど、その場にある素材で対処してきた記録をまとめた一冊『なんとかする工作』の著者でもあります。

 青木さんの工作の特徴は、どれも子どもの「こんなことして遊びたい!」というリクエストから始まっていること。ある意味、工作を始める前から子どもとのコミュニケーションが始まっていると言えます。

 「工作では『精密さ』や『見栄え』よりも、『フレキシブルさ』『スピード』を重視しています。最初の頃は僕も張り切って、超大作を作ろうとしていたんです。でも、それだと親の満足度は高いけど、子どもの満足度は高くないことも。子どもにとって、クオリティーは必ずしも重要ではありません。むしろ、あまり待たずにさくっと遊べるほうが喜ぶことが多いんです。だから最近は子どもが満足してくれるものを、『いかに手抜きして作るか』を考えていますね」(青木さん)

工作で大切な3つのポイント、1つは「最初に決め過ぎない」こと

 続いて、青木さん自身が普段の工作で意識している3つのことを教えていただきました。

 「まずは『最初に決め過ぎない』こと。決めたものを張り切って作っても、意外と予定調和で喜ばれないことがあります(笑)。工作中によくあるのが、端切れを見た子どもが『眼鏡に見えるから、眼鏡を作って!』などと言ってリクエストが変わること。子どものアイデアに臨機応変に対応したり、お互いのひらめきを共有したりしながら作るほうが喜ばれやすいです」