お出かけしたりおうちで遊んだり、親子で楽しむ時間を子どもの学びにつなげているDUAL世代の皆さんの工夫を紹介するシリーズ。今回、話を聞いたのは、小5の長男と、小3の双子の男の子を育てるコンサルティング企業勤務の理系ママMさん(46歳)。子どもたちの「マイブーム」を全力で応援し、興味を持った分野から学びを広げる工夫をしているMさんに聞きました。

実践例:Mさんの場合(小5男子と小3双子男子を育て中のママ)

 「小学生の男の子を3人も育てていると、戦争や武器などミリタリー系に興味を持つなど、私にはなかなか理解しにくい“マイブーム”もあります」と話すMさん。いろいろ模索しながら分かったのは、「本人が興味・関心のないことは、親がどれだけ働きかけてもノってこない」ということ。

 そのため、子どもの関心事が何かをよく観察し、親として全力で応援して、そこから発展させるよう心掛けるようになったと言います。とはいえ、難しいのはその案配。「これも学んでほしいと親の私が欲を出して、教育色を出しすぎると、シューッと音を立てて(笑)子どもの熱が冷めてしまいます

 自身も両親の影響で、実験や観察などが好きになったというMさん。大学ではバイオテクノロジーを専攻しました。「父も母も理系で、小さいころから『実験や観察は楽しいもの』とすり込まれて育ちました。母は散歩に行くたびに、植物や生物の名前を教えてくれました。父親は、私が小学校低学年のとき、家で滑車の実験をして見せてくれ、同じ重さのものも滑⾞を使って持ち上げると急に軽く感じると体感し、『すごい』と思ったのを今も覚えています」

 自身の体験から、教科書や本などの字面だけで学ぶより、自分で試したり、体験したりしたほうが面白く、身に付くと実感してきたというMさんは、その楽しさを子どもたちに伝えたいという思いで子育てしてきたと言います。

 多くの親が悩むのは、「子どもの興味・関心」と「親が学ばせたいこと」とのバランス。Mさんの長男は最近、ドイツ語やバグパイプに関心を持ち、独自の「好き」に向かって楽しく遊び・学んでいると言います。「男きょうだい3人で遊ぶ楽しさに水を差すことなく、サポートするよう心掛けてきた」というMさんの工夫を次ページから具体的にお伝えします。

子どもの興味関心から学びに広げるMさんの工夫は?
子どもの興味関心から学びに広げるMさんの工夫は?