好きなことは諦めず、突き詰めてほしい
―― 原先生のような「想像する、表現する、お話を作る」人になりたいという子どもたちに、どんな風にしたらいいか、何かアドバイスをお願いします。
原 私は絵描きになりたくて、話を書くつもりはなかったんだけど、作家さんの作品に絵を描いているときにお話に注文をつけていたら、出版社から「自分で書け」と言われて、物語も書くようになりました。絵のうまい人もお話のうまい人もいっぱいいるけれど、私がなんとかここまで生き延びているのは、子どものころと同じ感覚で書いているからではないかと思います。漫画を描いて友達に見せて、つまらないと言われたら次の日は頑張ろうと描き続けていました。そして、今は自分が小学生のときに楽しかったことを、今の子にどうやったら伝えられるかなと思いながら書いています。どんな仕事でも突き詰めていくと楽しいし面白い。でも、すごく大変です。大変なところまで行かないと楽しさは見つからない。子どもたちにもすぐに諦めないで、好きなこと、楽しいことを見つけてほしいです。
―― ありがとうございます。これからもゾロリの冒険を楽しみにしています!
原 これまでゾロリを60巻以上書いてきて、いろいろ謎を残してきました。これからゾロリの謎をすべて明かすか、謎を残したまま旅をし続けるか迷っていますが、今回の映画は、ゾロリの物語の中の謎を解くパズルの一つの役割を果たしていると思います。
(C)2017 原ゆたか/ポプラ社、映画かいけつゾロリ製作委員会
特別出演:百田夏菜子(ももいろクローバーZ)
声の出演:山寺宏一 愛河里花子 くまいもとこ 他
監督:藤森雅也
脚本:吉田玲子
上映時間:70分
配給:東京テアトル
公式サイト:http://zorori-movie.jp/
ドーナツ屋さんで配られる無料のドーナツをゲットするために早起きしようと、寝床付き目覚まし時計“ゾロリ庵”を作ったゾロリ。ところが、ゾロリとイシシ&ノシシはひょんなことから異空間に吸い込まれてしまいます。
行きついた見知らぬ町で、ゾロリは素敵なレディと出会います。ゾロリは彼女に恋心を抱きますが、なんとそのレディは若き日のゾロリのママ、ゾロリーヌでした。ゾロリたちはタイムスリップしてしまっていたのです。
そんな中、突然謎の怪獣が現れ、ゾロリーヌが大ピンチに! ゾロリたちは、宝探しから帰ってきたゾロリーヌの先輩ロンと協力して、ゾロリーヌ救出に奮闘。果たして、ゾロリたちは無事にゾロリーヌを助けることができるのでしょうか……?
ゾロリたちの大冒険にハラハラドキドキしつつ、若いころのかわいらしいゾロリママとのエピソードに感動して涙が出ます。もちろん大笑いできる面白さも満載! 30周年のゾロリ映画をぜひ親子で盛り上がって楽しんでくださいね。
(取材・文/清水久美子、撮影/小野さやか)