睡眠不足の子どもは自尊心が低い

 睡眠時間が短く、睡眠の質が悪い人は自尊心が低くなります。夜型生活の人も自尊心が低くなる傾向があることが分かっています。

 自尊心というのは、人間の発達段階によって、上がったり下がったりするのが普通です。

 子どもは8歳、つまり小学校2年生ごろに、わけもなく自尊心が高まります。自分のことが大好きで、「僕はみんなに好かれているも~ん!」などと言ってのけます。大人はなんと無邪気な、とあきれるかもしれませんね。これは問題ありません。正常な発達です。

 その後、小学校5~6年生、中学生くらいになって思春期の入口にさしかかると、子どもは「自分ってなんて駄目な人間なんだ」と思いがちになり、自尊心は急降下します。しかし、そのあとまた、勉強や部活をがんばるなどして、だんだんと自尊心が高くなり、社会に出る年齢になるころには、社会の中でうまくやっていけるくらいの、ちょうどよい自尊心になります

 このメカニズムでいくと、幼児期や低学年のときから睡眠不足が続き夜型生活をしている子は、大変危険なことになります。自尊心がとても高いはずの8歳のときでさえ自尊心が低いので、そこを起点にすると、思春期になったときには自尊心は地の底まで落ちてしまいます。これでは、思春期をうまく乗り越えられません。自分に自信がないまま成長していくことになり、痩せ細った土台はいつ崩れてもおかしくないでしょう。だから危険なのです。

不定愁訴や睡眠障害を抱える子どもたち

 8歳くらいの子どもの尊大な自尊心の高さは、とりもなおさず、子どもらしさです。他人や大人の目など何も気にせず、「俺がいちばんえらいもんね~!」「友達を100人つくりたい!」と言える子どもらしさは、いったいどうすれば培えるのでしょう。

 それには、朝は元気に早起きをして、食欲旺盛で、朝ごはんをおいしく食べ、夜は9時になるとパタンと寝て、ぐっすり眠る生活を送ることです。これはもう、テッパンです。

 小学生の子どもが目の下にくまをつくり、疲れきった青白い顔でどよんとしているのはどう考えても好ましくありません。元気にはつらつとしているべきです。

 睡眠不足によって不定愁訴がある子どもたちも増えています。「頭が痛い」「肩が凝る」「腰が痛い」「膝が痛い」「動悸がする」「めまいがする」。残業続きのサラリーマンが言いそうなことですが、こんな症状を訴える小学生もいるのです。

 小学校2年生を対象に睡眠の調査をした際、「夜、布団に入ってもなかなか寝つけない」と答えた子どもは全体の49%に上りました。夜、なかなか寝つけないのは、睡眠障害の症状です。小学校2年生の2人に1人が睡眠障害を抱えている現状。子どもたちの心と体は悲鳴を上げていると言っても決して過言ではありません