教育社会学者の舞田先生が統計データを使って、子育てや教育にまつわる「DUALな疑問」に答える本連載。今回は、わが子の進路に関心の高い読者に向けて、東大・京大に入れるチャンスについて考えます。偏差値ピラミッドの頂点を極めることができるのは、同世代の何%なのでしょうか。わが子をその中に入れたいという人、中学受験をするかどうか迷っている人はぜひ参考にしてください。都道府県の格差にも注目です。

2人に1人が大学に入れる時代でも、東大・京大は狭き門

 こんにちは。教育社会学者の舞田敏彦です。「願はくは、わが子をいい大学に入れたい」というのは、親心でしょう。今は大学進学率が50%を超えていますが、わが国の大学は歴史や威信によって精緻に階層化されています。そのトップは東京大学で、それに次ぐのは西の雄の京都大学です。

 これらの最高学府に入れるチャンスはどれほどか。今年春の推定18歳人口(3年前の中卒者)は120万人ほどですが、このうちの何%が東大・京大に入ったか。両大学の入学者数を18歳人口で割って、選抜度を出してみました

 分子の入学者には浪人経由者(上の世代)も含みますが、今年の現役世代からも浪人経由で入る者が同程度いると仮定します。

 4年制大学全体の入学者はおよそ63万人で、ベースの18歳人口の52.3%です。今では、同世代の2人に1人が大学に行くと。しかし入試難易度が高い国立大学は8.3%(12人に1人)、伝統ある旧帝大に絞ると1.6%(63人に1人)と、どんどん狭き門になります。

 一番上の東大・京大入学者は5970人で、同世代の0.5%、200人に1人となります。ほう、まさに選ばれた「エリート」ですね。18歳人口の減少で受験競争は緩和されているといいますが、有力大学に限るとまだまだ激戦のようです。

 私立の雄(早慶、MARCH、関関同立…)も含めたら、もっと精緻なピラミッドになるでしょう。各大学の入学者数は旺文社の資料(図1の注釈)で分かりますので、興味ある方は作ってみてください。