クルマが必需品の地域もあるのに、いまだに「贅沢品」扱いという理不尽さ

 今どき、自動車は必須だと思いますがねえ。2014年の総務省『全国消費実態調査』によると、2人以上の世帯1000世帯の保有自動車数は1377台です。年間収入五分位階級別の最下層の世帯でみても1042台です。低所得世帯に限っても、1世帯につき1台のクルマがある計算になります。

 交通網が発達した都市部はともかく、地方では自動車がないと生活は困難でしょう。働き盛りの年代は、とくにそうです。低所得世帯の自動車保有台数の都道府県比較をすると、表1のようになります。

低所得世帯の自動車保有台数の都道府県比較。表作成/舞田敏彦
低所得世帯の自動車保有台数の都道府県比較。表作成/舞田敏彦

 低所得世帯に限定しても、多くの県で1世帯につき1台以上のクルマがあるようです(所有率とイコールではありませんが)。昭和30年代ならいざ知らず、21世紀の今では自動車は奢侈(しゃし)品ではありますまい。とりわけ地方では、移動に必要な「下駄」のようなものです。