学力・志望校はバラバラ。偏差値30差の少人数クラスをまとめるには?

 「LOGIC」は1学年1クラス10名以下の少人数制クラスで、中学受験の指導を行っています。このような体制にしたのは、大手受験塾の学習カリキュラムに疑問を感じたからです(詳しくは前回記事を参照)。

 しかし、少人数制クラスで指導するに当たり、気を付けなければならないことがある、と松岡先生は話します。

 「それは、仲良しになって、なぁなぁになってしまいやすいことです。それを防ぐのに大事なのが、講師のタイミングを見計らった声かけです

 「『LOGIC』では、3年生の秋から6年生の入試本番まで、3年間同じクラスで、同じ講師が指導を行います。各クラスの人数はその年によって多少のバラつきがありますが、将人くんのクラスは男子6名でした。しかし、その学力には偏差値30ほどの差がありました。将人くんはその中では学力が高い子でしたが、授業中にさぼったり、クラスメートの発言に対して揚げ足を取ったりすることがありました。そんなときは、容赦なく叱りました。そうできたのは、将人くんと私の間に信頼関係があったからです」

 「中学受験は実はメンタルが重要で、大人の声かけのタイミングやアプローチの仕方によって、子どものやる気が左右することがあります。将人くんの場合は、人前でハッキリ言うほうが効果的でしたが、なかにはそうするとかえってマイナスになる子もいます。同じことを伝えるにも、強気に言ったほうがいい子もいれば、諭すように言ったほうがいい子もいる。褒めて伸ばしたほうがいい子もいれば、お尻をたたいて伸ばしたほうがいい子もいる。このように、その子に響くアプローチの仕方は様々です」

 「成績はテストや模試の点数を見れば、ある程度は分かります。でも、子どものメンタルは、そばにいる大人がしっかり寄り添ってあげなければ気づくことができません。そうできるのは、少人数制クラスであること、3年間、同じクラスで同じ講師が指導しているからだと思います」

 「そしてもう一つ、少人数制クラスで不可欠なことがあります。それは仲間を尊重し合う環境づくりをすることです。成績順でクラス分けをする大手進学塾では、成績が優秀な子ほど輝けます。しかし、学力も志望校もバラバラの子が集まる少人数制クラスでは、それは意味がありません。同じ学校を目指す大手進学塾のクラスでは、クラスメートはみんなライバルですが、こではみんなそれぞれ違う志望校を目指して頑張る仲間です」

 「『LOGIC』では、年に3~4回、休みの日に生徒たちを連れて課外活動を行っています。成績がバラバラの集団に仲間意識を芽生えさせるために、教室以外の場所でクラスメートと交流を図り、勉強以外の友達を知る機会をつくっています。すると、塾の成績はいまひとつだけど、電車にはやたらと詳しかったり、いろいろな雑学を知っていたりなど新たな発見があります。そうやって、それぞれ違う個性を尊重し、認め合う関係にすることが大事だと考えています