体験学習+事前・事後学習で効果を高める

 その場限りの“楽しい”体験で終わらせるのではなく、学習効果をより高めるために、学校と連携した予習と復習を効果的に組み合わせているのが特徴。

<Me&MyCityのラーニングモデル>
 教師による全10回の学習教材レッスン➡1日体験学習➡リフレクション(熟考・復習)

 Me&MyCityの体験学習の前に、子どもたちは学校でオリジナルテキストを使った10回の授業を受け、経済や金融、税金、公共のサービス、広告など世の中の仕組みを学ぶ。これらは、体験学習をしたときに、労働者であり、消費者であり、また地域社会のメンバーの一員でもある各自の役割を理解するための基礎知識となる。

世の中にどのような仕事があり、それがどういう役割を果たし、経済と社会の基礎を作っているかをテーマにした全10回の授業で、体験学習に必要な予備知識を学ぶ
世の中にどのような仕事があり、それがどういう役割を果たし、経済と社会の基礎を作っているかをテーマにした全10回の授業で、体験学習に必要な予備知識を学ぶ

 教師の役割は雇用主として、各職業に適した生徒を選ぶこと。当日用意される企業や専門職のリストからあらかじめ各生徒の希望を聞きながら、模擬就職活動や面接に基づいて職業を割り当てていく。

子どもたちには、生活に身近な職業が人気。「棚に並べるのに興味があった」という理由でスーパーでの勤務を選んだ女子生徒(写真左)。大手スマホメーカー・サムスンのブースには、色々な機種がずらり!(写真右)
子どもたちには、生活に身近な職業が人気。「棚に並べるのに興味があった」という理由でスーパーでの勤務を選んだ女子生徒(写真左)。大手スマホメーカー・サムスンのブースには、色々な機種がずらり!(写真右)

 体験学習では、希望した勤務先の従業員として商品・サービスを販売するほか、給与として得た通貨はMe&MyCityでの支払いに使うことができ、議会への出席、納税も行う。

 1人に1台用意されるタブレット端末では、各企業の業績や1日の課題がチェックでき、給与明細やお金は電子化。 ITに興味がありノキアのブースで働くことを希望したという13歳の男子生徒は、「社会の仕組みが何となく分かった。進路は決めていないけれど、もっと学びを深めたい」と感想を述べた。

組織の一員として、消費者として、市民として。様々なステークホルダーとしてのToDoリストがまとめられたタブレットを活用。課題をクリアすると、進捗が共有される
組織の一員として、消費者として、市民として。様々なステークホルダーとしてのToDoリストがまとめられたタブレットを活用。課題をクリアすると、進捗が共有される